雨上がりの午後

Chapter 136 親友達からのメッセージ

written by Moonstone


 1週間後の日曜日。俺は電話のコール音で目を覚まさせられた。
昨夜は実験のレポートに加え、火曜日期限の講義のレポート2つ、週1回のゼミの和訳が自分担当ということでその準備に追われ、結局寝たのは午前4時。
一方電話のコール音で強制覚醒されたのは午前9時。はっきり言わなくても迷惑だ。俺は欠伸をしながら受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「こらーっ!祐司ーっ!」

 この声は・・・宏一か。第一声が叫び声とは・・・。

「宏一か?お前・・・、挨拶くらいしろよ。いきなり電話口で叫ぶ奴があるか。間違い電話だったらどうするつもりだ?」
「これが叫ばずに居られるかってんだ!耕次から連絡があったとおり、お前が今付き合ってる彼女と一緒に写ってる写真を受け取ったんだが、夜電話に出やしねえから
今電話したんだぞ?ベイビィ!」
「言ってなかったか?俺は夜バイトがあるんだ。だから普通電話をする時間には誰も居ない。で?」
「で?じゃねぇよ!お前、本当にこの写真の彼女と付き合ってるのか?!」
「耕次達とも話して聞いたんだろ?俺の今の事情は。お前に送った写真に写ってるのは、紛れもなく俺と今付き合ってる彼女だ。」
「無茶苦茶美人じゃないか!何処でどうやって引っ掛けたんだ?!全部吐け!ベイビィ!」
「引っ掛けたって・・・人聞きの悪いこと言うなよ。お前じゃあるまいし。」
「何処で出会った?!どっちから声かけたんだ?!どうやって結婚指輪填めさせたんだ?!」
「・・・ったく。」

 こりゃ説明しないことには解放されそうにないな。俺は溜息を吐いてから経緯を簡単に話す。
宮城と別れた直後、遅い夕食を買いにコンビニに出かけた時、偶然レジで出会ったこと。
アプローチは晶子の方から始まったこと。
指輪は晶子の誕生日プレゼントに贈ったペアリングだが、晶子が左手薬指に填めてくれと言って譲らなかったからそうしたこと。

「−こんなところだ。」
「こんな美人から言い寄られるなんて・・・何て運の良い奴なんだ、お前。で、彼女の性格はどんな感じだ?」
「控えめで物腰は柔らかい。かなり頑固なところもあるが。」
「プレゼントとかは豪華にしてるのか?」
「否、値段がどうとかより、俺と一緒に居られることそのものを喜ぶタイプだ。実際、彼女に今まで贈ったプレゼントはアクセサリーなんだが、全部1万円以下。
でも彼女は値段や材質とか、そんなことは一切聞かない。話題になってるペアリングもそうだが、譲らなかったのは左手薬指に填めてくれってことだけだ。」
「随分燃費が良いな・・・。料理の腕は?」
「良い。実家の地域の違いで煮物とかが甘くなる傾向があるが、俺の好みに合わせてくれてる。自分で魚捌いて刺身も作れる。」
「お嬢様なのか?」
「実家の事情は彼女があまり話したがらないし、俺も聞かないからよく知らないが、躾は結構厳しかったらしい。」
「で、祐司さん、って呼ばれてるってのはマジなのか?」
「ああ。」
「同い年なんだろ?」
「否、学年は同じだが歳は彼女の方が1つ上だ。」
「オウ・・・。こんな美人に、しかも燃費が良くて料理も上手い彼女にさん付けで呼ばれてるとは・・・。何て女引っ掛けるのが上手い奴なんだ、お前は!」
「だから、引っ掛けるなんて人聞きの悪いこと言うなって言ってるだろ。」

 はっきり言って、宏一に女引っ掛ける、なんて言われたくない。
高校時代、ルックスの良さと口の軽さを武器にそれこそ女を引っ掛けまくり、あろうことか俺と付き合っていた宮城にまで度々ちょっかいを出した−勿論撃退したが−、
とんでもない女垂らしの宏一には。

「で、結婚式は何時なんだ?」
「はぁ?」
「絶対呼べよ!この目でしっかり拝ませてもらう!呼ばなかったら承知しねえぞ、ベイビィ!ってなわけで、またな。」

 俺が呼び止める間もなく、電話は一方的に切れてしまった。ツーツーという音を鳴らす受話器を置く。
ったく、言いたい放題言って切りやがって・・・。まあ、宏一らしいと言えば宏一らしいが。
 まだ若干眠気が残っている。寝たのが遅かったからな・・・。
まあ、昨日頑張ったから今日は安心して寝ていられる。もう一眠りするか。
欠伸をしつつベッドへ戻ろうとしたところで電話がコール音を鳴らし始める。
宏一の奴、まだ言い足りないことでもあるのか?俺は溜息を吐いて受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「おはよう、祐司。渉だ。」
「あ、渉か。おはよう。」

 今度の電話の主は渉。メンバーの中で最も理性的な奴だ。思わず溜息が出る。

「さっき電話したら通話中だったんでな。メンツの誰かか?」
「ご名答。宏一からだった。」
「ま、内容は察しがつくよな?」
「ああ。」
「写真は見せてもらった。随分美人だな。優子ちゃんからの情報どおり、茶色がかった長い髪で、何より笑顔が綺麗だ。優子ちゃんとあんな別れ方したお前に
とっちゃ、まさに女神だろう。」
「俺もそう思う。」

 女神、か・・・。渉らしい簡潔で的確な表現だな。
実際、女なんか信じられるか、二度と恋愛なんてするもんか、と凝り固まって膝を抱えて蹲っていた俺の前に現れて俺を立ち上がらせてくれた晶子は、
俺にとって女神と言うに相応しい。

「で、問題の結婚指輪だが。」
「否、あれは結婚指輪じゃない。彼女の誕生日に贈ったペアリングだ。」
「だが、どんな事情があったかは別にせよ、彼女もお前も今の指に填めてるってことは、当然その意味は分かってるよな?」
「ああ。」
「てことは、彼女もお前も、今の付き合いを大学卒業と同時におしまいにするつもりはさらさらないってことだな。」
「ああ。」
「今手元に写真があるが、彼女もお前も本当に幸せそうだ。こんなことを引き合いに出すのは良くないことは承知の上で言うが、お前が優子ちゃんと付き合って
いた時に優子ちゃんに見せたり優子ちゃんのことを話題にされた時のお前の顔と同じくらい、否、それ以上に幸せそうだ。本気で今の付き合いを続けて指輪の
意味を確固たるものにしようと思ってるなら、彼女のこの笑顔を壊すことだけは絶対するなよ。」
「ああ。」

 渉の言葉は口調こそクールだが、重みがある。
渉の言うとおり、今俺と晶子の左手薬指に填まっている指輪の意味が分かっていて、それを確固たるものにしようと思うなら、間違っても晶子を泣かせるような
ことはしちゃいけない。
耕次に以前言われたとおり、それは自分を崖っぷちに追い詰めてまでも俺と一緒に暮らすことを決めた晶子に対する俺の責任だ。

「式の目処はついてるのか?」
「否、まだ・・・。」
「まあ、お前の進路がまだ定まってないということは耕次からも聞いてるし、それを決めないことにはお前も彼女も身動きが取れないだろう。どんな式にするのかは
それこそお前と彼女が相談して決めるべきことだが、する時は呼んでくれ。必ず行く。」
「勿論、結婚式の時は呼ぶつもりだ。」
「よし。楽しみにしてるぞ。彼女と仲良くな。それじゃまた。」
「ああ、またな。」

 俺は受話器を置く。終始クールだったが−その前が宏一だったから余計そう感じるんだろうが−期待と激励が篭っていたのが分かる。
どういう結婚式にするかどころか、プロポーズさえもしてない−しなきゃ結婚出来ないということはないだろうが−現状では渉の問いにまともに答えることが
出来なかった。
そう思うと、やはり肝心要の俺が進路をはっきりさせないといけない、と改めて痛感する。
 眠気も随分消え失せた。朝食でも食べるかな・・・。
俺が冷蔵庫へ向かおうとしたところで電話がコール音を鳴らし始める。
何だ、今日は・・・。俺は身体の向きを変えて受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「おはよう、祐司。勝平だ。」
「ああ、勝平か。おはよう。」

 宏一、渉に続いて勝平か・・・。こうなると用件は嫌でも察しがつく。

「メンツで順番に電話するように裏工作してたのか?」
「否、俺ん家は土曜も工場が動いてるから、その手伝いがある。レポートもあるしな。この辺はお前も同じ理数系なら分かるだろ?」
「ああ。偶々ってわけか。」
「そういうこと。で、用件だが・・・。」
「俺が送った写真のことだろ?」
「よく分かるな。超能力が開花したか?」
「馬鹿言うな。お前の前に宏一、渉の順で電話があったんだ。勿論、俺が送った写真のことについて、な。」
「それなら話は早いな。」

 少し間を置いて、勝平が言う。

「彼女、凄い美人だな。正直言って驚いた。優子ちゃんから話は聞いてたが。彼女、モデルでもやってるのか?」
「否、俺と同じバイトをしてる。」
「大学は同じか?」
「ああ。学部は違うが。」
「なのにどうやって知り合ったんだ?古傷を抉ることを承知で言うが、優子ちゃんと別れたのが確か一昨年の今頃だろ?」
「・・・そうだ。宮城との電話で最後通牒を突きつけられたショックで自棄酒飲んで、大学とバイトをサボっちまってな・・・。その夜、遅い夕食を買いに行った
コンビニのレジで偶然。」
「ふーん・・・。で、結婚指輪填めさせて今に至る、と。」
「否、あれは結婚指輪じゃない。彼女の誕生日に贈ったペアリングだ。」
「でも、どういう経緯があったにせよ、お前も彼女も左手薬指に填めてるってことは、双方本気なんだろ?」
「ああ。」

 少し沈黙の時間が流れる。

「彼女にはウェディングドレスが似合うだろうな。優子ちゃんからの情報どおり髪が茶色がかってるし、色白だから。」
「ウェディングドレスは、彼女も憧れてるそうだ。」
「今、俺は問題のブツを持ってるんだが、お前は兎も角、彼女の笑顔が印象的だ。本当にモデルとしても通用すると思う。よくまあ、こんな美人を彼女に
出来たもんだな。」
「勝平。誉めてるのか、貶(けな)してるのか、どっちだ。」
「どちらもだ。で、料理の腕は?」
「良い。実家の地域の違いで煮物とかが甘くなる傾向があるが、俺の好みに合わせてくれてる。自分で魚捌いて刺身も作れる。」
「へえ、そりゃかなりのもんだな。俺の知ってる範囲だが、今時自分で魚捌ける女なんてそうそう居ないぞ。お前のバイト、確か喫茶店だったな。」
「ああ。」
「お前と同じバイトで料理が出来るってことは、彼女は料理担当か?」
「接客もするけどな。」
「看板娘ってところか。」
「店のマスターの奥さんと人気を二分してる。彼女のファンからは、同じ指輪填めてるってことで睨まれてる。」
「それは当然のことと思え。」

 俺は苦笑いする。実際今でも睨まれてるんだが、やっぱり当然なのかな・・・。
晶子は同じゼミの奴から、あんたには似合わない、とか言われたそうだが、確かに俺には豪華過ぎる愛に溢れた花束だ。
渉が女神、と言ったのを思い出す。俺は突然降臨した女神から愛が溢れる花束を受け取ったんだろう。・・・女神本人と共に。

「まあ、それはそれとして・・・、入籍はしたのか?」
「にゅ、入籍?」
「祐司。結婚指輪填めさせたんなら、入籍したのかどうか疑問に思うのは当然じゃないか?」
「だ、だからあれは結婚指輪じゃないって。」
「二人揃って左手薬指に填めてる以上、言い逃れ出来ると思うな。で、入籍はしたのか?」
「・・・否、してない。」
「式は?」
「まだだ。」
「てことは、指輪の交換だけ先にやっちまったってことか。ま、それはそれで良いだろう。式には呼べよ。この目でしかと確かめさせてもらうからな。」
「ああ、そのつもりだ。」
「しかし、本当に美人な彼女だな。写真をスキャナで取り込んで、お前の部分を俺に置き換えたいところだ。」
「勝平。」
「冗談だ。だが、彼女を泣かせるようなことをしたらそうされても文句は言えないってことを頭に入れておけよ。」
「ああ。」

 俺が凄むと勝平は軽くいなす。だが、それに続いた言葉はズシリと心に圧し掛かる。
勝平の言うとおり、俺は彼女を、晶子を泣かせるようなことをしちゃならない。
俺は晶子ともそう約束した。その約束は守らなきゃならない。
印鑑が押された書面であってもそうでなくても、人の信頼の上に結ばれた約束の重みは同じだ。婚約もその一つだと俺は思う。

「恐らく今頃耕次が手薬煉引いて待ってるだろうから、この辺にしておく。彼女と仲良くな。それじゃ、また。」
「ああ。またな。」

 俺は受話器を置く。次はやっぱり・・・耕次が待ってるんだろうか?そう考えた方が自然か。
宏一、渉、勝平、と来たら、残るは耕次しか居ない。
俺と晶子が一緒に写ってる写真を送れ、と言ったのは他ならぬ耕次。感想を楽しみに待ってろ、と言ったのも耕次だ。このまま待ってようかな。
 と思っていたら電話がコール音を立て始めた。
俺は予想が確信にレベルに高まるのを感じながら受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「おう、祐司か。耕次だ。おはよう。」
「おはよう、耕次。・・・写真の件か?」
「よく分かったな。」
「分かるも何も・・・、お前の直前に宏一、渉、勝平の順で電話があったんだ。勿論写真のことについて、な。念のため聞くが・・・、メンツで順番に電話するように
裏工作してたんじゃないだろうな?」
「偶然に偶然が重なるってことはあるもんだ。」
「それが宝くじの時に発揮されると良いんだけどな。」
「こんな美人を捕まえておいて、宝くじまで欲を伸ばすのは贅沢ってもんだぞ。」
「写真が手元にあるのか?」
「ああ、勿論。」

 やっぱりな・・・。まあ、今回の「騒動」を引き起こした張本人の耕次が、写真を持ってない筈はないか。
さて、どんな感想が聞けるのやら。ついでに尋問もありそうだが。

「では改めて感想を言わせてもらう。覚悟は出来てるか?」
「一応な・・・。」

 思わず溜息が出る。
「氷山の一角」が当の本人から出たから、幾ら俺が鈍いといっても大方の予想はつく。これまでの3人に共通していた感想が飛び出すのは確定している。

「彼女、情報どおりの美人だな。茶色がかった長い髪が綺麗なのは勿論、写真から推測するに、身長は165cmくらいってところか。女優かモデルやってても
不思議じゃない。残念なのは、この服装じゃスタイルがよく分からないことだな。付き合って・・・2年くらいか。彼女のスリーサイズは知ってるだろ?」
「知らん。」

 実は知ってたりする。「別れずの展望台」から帰って晶子の家で晶子を抱いた時、その時の流れで俺が尋ねて聞いた。
予想以上に均整の取れた見事なスリーサイズだった。
だが、そんなこと間違っても口にしちゃいけない。ここは知らぬ存ぜぬを通すに限る。

「まあ、その件は置いといて・・・。彼女の髪が茶色がかってるのは染めたりしてるからか?」
「否、生まれつきのものだそうだ。」
「大学は同じか?」
「ああ。学部は違うが。」
「てことは、少なくとも中学高校じゃあまり良い思いはしなかっただろうな。お前と同じ新京大学に入るくらいの成績だったんだ。彼女の経歴は知らんが、
恐らくその地方じゃ有名な進学校だったんだろう。俺達と同じで。そんな中で茶色がかった髪で居たんじゃ、程度の低い奴らや頭の固い連中が揃う生活指導の
教師の目の敵にされてたと考えても不自然じゃない。」

 耕次の奴、断片的な「情報」からよく分かるな・・・。
高校時代同じバンドで行動を共にして来た過程で、人の心やその場の雰囲気を掴むのが上手いとは思ってたが、まさかこれほどとは・・・。

「話はころっと変わるが、彼女の手料理を食ったことはあるか?」
「あ、ああ。」
「腕前は?」
「良い。煮物とかが甘くなる傾向があるが、俺の好みに合わせてくれる。自分で魚捌いて刺身も作れる。」
「随分立派なもんだな。レパートリーも豊富なんだろ?」
「ああ。和食、中華、洋食まで色々。」
「選り取りみどりってやつか。で、維持費はどうなんだ?」
「言葉は悪いが、もの凄く安い。話題のペアリングもそうだが、彼女にプレゼントしたものは全部1万円以下だ。勿論、それなりに選んではいるけどな。
物の値段や材質とかで気持ちを測ることはしない。俺から何かをもらうこと、俺と一緒に居られることそのものを喜ぶタイプだ。」
「今時珍しいな。優子ちゃんからの情報や前のお前の話からするに、頑固なところもあるけど、基本的には控えめで穏やかな性格なんだろ?」
「ああ。」
「これだけ見栄えが良いと、それこそ男は選り取りみどり、って妙な勘違いして高慢になりやすいんだがな。結構狙われてたんじゃないか?」
「ああ。俺がプレゼントしたペアリングを填めて以来、声をかけられる回数は激減したらしいが。」
「彼女にペアリングをプレゼントすることは、事前に言ってたのか?」
「否、ひた隠しにしてた。彼女も知らなかったらしい。彼女の指輪のサイズは、言葉は悪いが騙し騙し調べた。」
「てことは、お前にペアリングをプレゼントされることが分かった時点で、彼女にとっては少なくとも婚約という位置付けだったんだろう。左手薬指に填めてくれ、
って譲らなかったっていうのも、そう考えれば筋が通る。」

 耕次の奴、刑事か探偵になったら絶対成功するぞ。断片的な情報でこれだけ背景を見通せるとは・・・。
俺を含めた一癖二癖あるメンツをほぼ3年間束ねてきただけのことはある。これは俺じゃ絶対真似出来ないことだ。

「ことがここまで進んだ以上は、後はお前次第だ。お前が進路を決めないことにはお前も彼女も身動きが取れないし、ましてや結婚して一緒に暮らす
−まあ、結婚しなくても一緒に暮らすことは可能だが、ある程度の将来構想もない状態では綱渡り状態になっちまう。その場その時で考える、なんて悠長なことは
やってられない。一つ聞くが、彼女の学部は何だ?」
「文学部だ。」
「だとすると、尚更条件的に厳しくなる。言葉は悪いことを承知で言うが、そんな学部出て何が出来るんだ、って企業に突っ込まれる可能性は高い。
今は即戦力とやらを求めて来るからな。自分達の都合で将来性から即戦力とやらに基準を変えて、おまけに自分達は何もしないんだから勝手な言い分だとは思うが、
それが現実だ。それを変えようとする人間が少数派な以上は、歯噛みしながら頭を下げるか、お前の選択肢にあるように企業に背を向けるかどちらかしかない。」
「確かに・・・。」
「それに、彼女の髪が茶色がかってるってのも問題だ。念のため最初に言っておくが、これは彼女が悪いわけじゃない。俺が行ってる大学の学部でも就職説明会
みたいなものがあったんだが、就職活動の際の服装は黒のスーツに白のシャツ、髪のパーマや染色脱色は不可、ってな有様だ。中学高校ならまだしも
−まあ、それが良いかどうかはとりあえず置いといて、服装にまで画一性を強いてくるのが今の企業の実態だ。彼女の性格やお前の話から推測するに、
彼女は就職のために髪を黒く染めたりするようなことはしないだろう。そうするくらいなら迷わず企業に背を向ける道を選ぶだろうな。」
「・・・。」
「となると、進路は必然的にほぼ試験の成績で決まる公務員か、服装や髪にはあまりこだわらないサービス業に限られてくる。公務員が生涯安泰なんてのは
もはや過去の幻想だし、場合によっては遠方への転勤もあり得る。だが、彼女の性格から推測するに、仕事のためにお前と離れることはしないだろう。
そうなると、給料は低水準のままにならざるを得ない。転勤を繰り返して昇格する、ってのが公務員の実態だからな。」
「・・・。」
「それに、サービス業の労働条件はお世辞にも良いとは言えない。どういう形にせよ、大学卒業と同時にお前と暮らすしか選択肢はないと言って良いだろう。
彼女はそこまで思い詰めてるんだ。一時の伊達や酔狂で左手薬指に指輪を填めたんじゃないなら、尚のことお前は真剣に、選択肢によっては親に勘当されることを
覚悟しろ。前にも言ったが、それが彼女に対するお前の責任だ。」
「・・・分かった。」

 耕次の言葉が重く響く。
晶子の決意が固いことは知っている。だからこそ、俺はそれを受け止める態勢を一刻も早く整えなきゃならない。
言い換えれば、進路を一刻も早く決めなきゃならない。俺のために、そして何より晶子のために・・・。
改めて俺が今居る立場の重大さを痛感する。

「勝平と渉と宏一が何て言ったのかは知らんが、少なくともお前と彼女のゴールイン、すなわち結婚を期待してる筈だ。だが、結婚は新たなスタートでもある。
これまでまったく違う生い立ちを辿って、尚且つそれぞれの過去を背負った二人が一緒に暮らすんだ。十分な準備運動もなしに二人三脚を始めれば、転倒するか
足の引っ張り合いになるかのどちらかになる。お前も彼女もバツ一っていう履歴欲しさに結婚を考えてるんじゃないだろうし、彼女がお前の将来設計に自分を
当てはめると言っている以上は、お前の準備運動が不可欠だ。・・・言いたいことは分かるな?」
「ああ。」
「俺は、お前と彼女がこの写真と同じ、否、それ以上の幸せな顔で式を挙げることを期待してる。式を挙げなくても書類を役所に出せば結婚は成立することくらいは
知ってる。だが、俺としてはお前と彼女が二人揃って新しいスタートラインに着く儀式を見たい。もしその気があるなら、日程が決まり次第連絡してくれ。
必ず行く。」
「分かった。何らかの形で式は挙げるつもりだから、その時になったら連絡する。」
「よし。彼女と仲良くしろよ。それじゃ、またな。」
「ああ、またな。」

 俺は受話器を置く。
裏工作していたかのように、宏一を筆頭にしてメンツ全員から感想を聞かされた。やはり、美人じゃないか、という感想は表現の違いはあれど共通していた。
そして、俺と晶子の結婚式への期待も・・・。
 ありがたいのは勿論だが、いかに俺が重大な立場にあるかを痛感させられた。
俺が抱えている、そして晶子が抱えている幸せを大学時代の自慰行為の顛末にする気はさらさらない。そうしちゃならない。
やっぱり、俺がしっかりしないといけない。
 分かってはいる。だが、その肝心の一歩を未だに踏み出せないで居る。
自分の進路を決めて動き出し、道が踏み固まった時点で晶子にプロポーズして挙式して一緒に暮らし始める。
纏めれば簡単だが、それが出来ない俺が現に居る。
自分の気持ちを知っていながら、晶子の気持ちを知っていながら・・・。今の今になって何をやってるんだ?俺は・・・。
 とりあえず、朝飯でも食べるか。
俺は冷蔵庫に向かい、食パンを一枚取り出してトースターに放り込んでインスタントコーヒーの準備をする。
時間は・・・11時前か。中途半端な時間だな。ちょっと量は少ないが、これを朝昼兼用にするか。一食抜いただけで死ぬわけじゃあるまいし。
 程なくトースターがチン、と音を立てる。タイミング良く湯も沸いた。
インスタントコーヒーを作って、トーストを皿に乗せて、と。何時もの朝食が完成だ。あ、今日は昼食も兼ねてたっけ。まあ、大差ないか。
俺は冷蔵庫から取り出した苺ジャムとバターナイフを持って来てテーブルに置き、質素なブランチを始める。
 耳に入ってくる音といえばせいぜい、たまに聞こえる自動車の走行音くらい。
静かな日曜の昼下がり、俺は黙々とブランチと洒落込む。
苺味のトーストを咀嚼しつつ苦味の効いたブラックコーヒーを口に含みながら、メンバーからの写真の感想を反芻する。
・・・やっぱりと言うか、どれも晶子については高い評価が得られたな。勿論嬉しいし、もっと自慢しても良かったかな、なんて思ったりする。
その一方、どれにも共通していたことはやはり、俺と晶子の結婚式に期待している、ということだったな。つまりは、今の関係を発展させろ、ということだ。
 宏一は兎も角、渉も勝平も耕次も表現は違えど口々に言ってたな。晶子の幸せを壊すことはするな、と。
それは言葉を変えれば、今の今になってもまだ舵取りの方向を決められずに居る俺に進路方向の決定を督促するものだ。
分かってはいる。だが、まだどうにも決められないのもまた事実。本当に俺はどうすれば良いんだろう?

 親、特に母さんは公務員を頻りに勧める。
だが、その筋に詳しい耕次の言うとおり−奴は法学部だ−公務員だから生涯安泰、なんてどっかり椅子にふんぞり返っていられないことくらいは知ってる。
それはごく一握りのキャリア官僚と言われる人種くらいのものだ。
そのキャリア官僚も猛烈な出世競争に放り込まれ、「脱落者」は定年前に退職せざるを得ない状況に追い込まれるということも知ってる。そんなの真っ平御免だ。
 進路指導の個人面談の時、レコード会社という選択肢も挙げるには挙げた。だが、CDやDVD制作に直接携われるかどうかは分からない。
購読している音楽雑誌では、ミキシング・エンジニア(註:CDやDVDに収録する音声をミキサーという機械で調節する職業)とか音楽制作により密接に関われる職業は、
大抵その筋の専門学校から「供給」されるとあった。
ということは、大学生の俺が介入出来る余地はほぼないと言える。
耕次も言ってたが、今は即戦力とやらが求められる時代。それがない俺が幾ら社内で希望しても一蹴されるのがオチだろう。
 となると、音楽に接することが出来るのは、やはり自分がプレイヤーになること、すなわちプロのミュージシャンになる道に絞られてくる。
だが、その道を選ぶとなれば、親との衝突は避けられない。
耕次は言った。俺は晶子との絆と親への気持ちを天秤にかけている、と。そして、結婚は自分のためにするもんだ、親のためにするもんじゃない、と。
晶子と一緒に暮らすことを真剣に考えているなら自ら親子の縁を切る覚悟を持て、それが晶子に対する俺の責任だ、と。
 ・・・分かってる。分かってる。だが、どうしてもその道に踏み出そうとすると一歩が出ない。
このままじゃ一緒に暮らすどころか、プロポーズも出来やしない。
晶子だって、俺が宙ぶらりんの状態でプロポーズすることを待ってやしないだろう。
俺次第、か・・・。だが、俺には背中を押してくれる存在が必要なんじゃないだろうか?
 味も素っ気もない、もはや呼吸と同じレベルに達したこの食事が、余計に味気なく感じる。
ま、自炊を投げ出してその時間を勉強と音楽につぎ込むことを選んだ以上は仕方ない、か・・・。

 ブランチが済み、食器を流しに持っていって手早く洗い、洗い桶に放り込んでデスクに座る。
そして今日の「話題」になった写真が入っている写真立てを手に取る。
春の陽射しの中で腕を組んで笑顔を浮かべている俺と晶子・・・。
そう言えば、写真を撮ってくれたおばさんが言ってたな。

あんた達、今時珍しく感じ良いね。嫌味が全然ないよ。

 自分で言うのも何だが、確かにこの写真からは嫌味を感じない。見ているだけで心温まる一コマだ。
晶子のゼミじゃ評判は悪いらしいが、それはそれで良い。この写真に写っている俺と晶子が幸せなんだから。
 電話がコール音を立てる。
写真を送ったバンドのメンバーからは、裏工作があったと思わざるを得ない、立て続けの感想行列があった。
もう奴らから言うことはないだろう。となれば・・・親からか?俺は写真立てを元の位置に戻して受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「あ、祐司。誰だか分かる?」
「・・・もしかして、宮城か?」
「正解。そのまさかよ。」

 間違いない。この声は宮城のものだ。
声を聞くのは今年の成人式以来。電話を介して声を聞くのは・・・宮城と切れたあの夜以来だな。

「どうしたんだ?宮城。今日は仕事休みか?」
「ううん、昼休み中。私の仕事、カレンダーや曜日なんて表記の違いでしかないのよね。」
「忙しいんだな。」
「まあね。色々やってる間に1日終わっちゃうわ。こうなってみると、祐司が大学とバイトで大変だったのが分かる。・・・御免ね。」
「良いさ。もう過ぎたことだし。」
「そういうところ、祐司らしいね。」
「そうかな・・・。で、どうして電話してきたんだ?昼休みくらいゆっくりしたいだろ?」
「昼休みだからこそ、よ。ちょっと一息、って時にふと、祐司はどうしてるかな、って思って電話してみたの。・・・迷惑だった?」
「否、今日は朝から電話の連続だったから目も覚めちまったよ。」
「祐司に連続で電話なんて、何かあったの?ファンクラブでも出来たとか。」
「馬鹿言うな。高校時代のバンドのメンバーからだよ。俺が奴らに送った写真の感想を立て続けに言ってきたんだよ。まるで裏工作でもしたかのように連続でな。」
「写真って、もしかして今の彼女が写ってる写真?」
「ほぼ正解。今年の春、俺と二人で撮ったんだ。それを耕次にメンバー全員に送れ、って命令されてな。」
「ああ、本田君ね。本田君と和泉君と須藤君と則竹君には成人式の後、私が祐司の現状についてしっかり報告してあげたから。ペアリングのこと、皆凄く
興味持ってたわよ。祐司の奴早くも結婚か、って特に本田君と則竹君が大騒ぎ。」
「やっぱりか・・・。」

 耕次の話に裏付けが取れた。
俺は晶子と付き合ってることをメンバーに隠そうとしていたわけじゃないが、話すことは頭になかった。
約束どおり成人式会場前で会ってライブをすることしか考えてなかったからだ。
進路のことで迷ってることを話したのもその時の流れに拠るもの。
それを覚えていて電話してきたのは勿論、それを晶子のことに結び付けた耕次の話術にまんまと嵌まったってわけか・・・。
 高校時代、耕次が渉と宏一と共に俺のところに来て、一緒にバンドやらないか、と言って来た時のことを思い出す。
いきなり何だ、と訝りつつも頼まれるがままに俺がギターを演奏した後、お前のギターが必要だ、一緒にやろう、と真剣に訴えてきた耕次。
そして結局OKして、その直後勝平が加わり、バンド活動がスタートした。仲間達と記憶は全てそこから生まれた、と言って良い。

「で、その彼女とは今でも上手くやってるの?」
「ああ。今度の冬で2周年になる。」
「何時結婚式するの?」

 俺は思わずむせてしまう。メンバー4人に続いて宮城まで・・・。
ふと左手を見る−俺は右手で受話器を持つのが習慣になっている−。その薬指に光る指輪。やっぱりこれは目立つ上に「その後」を期待させるものなんだろうか?

「祐司、大丈夫?」
「・・・ああ、何とかな。そ、それより・・・何で結婚式まで話が飛躍するんだ?」
「ファッションなんかにてんで無頓着な祐司がアクセサリーを着けること自体が驚異的なことなのに、そんな目立って訳ありを示す指にペアリングを填めてるなら、
そうなって当然でしょ?」
「・・・やっぱり目立つか?」
「当たり前よ。分からない方がどうかしてるわ。それで、結婚式は何時するの?」
「未定だ。プロポーズもまだしてないし。」
「私が言うのも何だけどさ・・・、祐司がプロポーズして式挙げて、その時に指輪填めさせる、っていう順番は守った方が良いんじゃない?このままだと、
出来ちゃった結婚になっちゃうわよ。ま、それは否定しないけど。」
「去年の夏、言っただろ?ペアリングを左手薬指に填めてるのは、彼女がそうしてくれ、って譲らなかったから、って。」
「でも、今の彼女を真剣に愛してるからそうした、とも言ってたわよね?」
「・・・都合の良いところだけ憶えてるな。」

 思わず溜息が口を突いて出る。
自分が不利になりそうだと察すると誤魔化したり流そうとしたりして、自分に有利になりそうだととことん突っ込んでくる。
こういう小悪魔ぶりは全然変わってないな・・・。まあ、余程のことがない限り、人間の性格がころっと変わることなんてないらしいし。

「・・・ああ。真剣に愛してるさ。今の彼女をな。」
「祐司、一途だもんね。でもさ、祐司。」
「何だよ。」
「祐司ってまだ進路決まってないんでしょ?」
「・・・何で知ってるんだよ。」
「ペアリングのこと話した時に本田君達から聞いたのよ。祐司が進路で迷ってるって。ミュージシャンになることも考えてるけど、親の苦労も分かるし、
プロとしてやっていけるのか不安だから迷ってる、ってね。」
「・・・ああ。そのとおりだよ。この前進路指導の個人面談があったんだけど、その時出した選択肢も体裁を整えただけって感じだった。自分で言うのも何だけどな。
実際、今になっても決められないでいる。」
「あたしは祐司の腕ならプロとしてやっていけると思うけどね。この前、新京市の公会堂で、プロの人達と一緒にコンサートやったんでしょ?客席いっぱいにして
大成功だったそうじゃない。」
「な、何でそんなこと知ってるんだ?!」
「言わなかった?あたしの職場は小宮栄にあって、住んでるところはオフィス街のど真ん中だって。」
「そう言えば・・・。」

 深層から記憶が蘇ってくる。
晶子の田畑助教授「対策」のためにICレコーダーを買おうと小宮栄を歩いていたら偶然宮城と出くわして、昼飯食いながら近況を話したことを。
その時宮城が言ってたっけ。職場は小宮栄にあって、住むところも決まってて、オフィス街のど真ん中って。

「そんな関係で小宮栄周辺にある彼方此方のお店に出入りしてるんだけど、その手の店じゃ凄い評判になってたわよ。プロを唸らせる凄腕の若手ギタリストを
加えてコンサートする、って。お店の人が、そのプロの人達が今度手を組むのは新京市の喫茶店の人達だ、って言ってたからピンと来たのよ。祐司のバイト先は
喫茶店。そもそもギターの腕を云々言う喫茶店なんて、普通聞かないからね。」
「まさか宮城・・・。お前もあのコンサートに来てたのか?」
「チケット買おうと思ったら、とっくに売り切れてたのよ。チケット置いてあるお店が彼方此方にあった分、一つのお店の割り当てが少なかったらしくてね。
コンサートの評判は、チケット買って観に行ったっていうお店のお客さんから聞いたのよ。凄かったって言ってた。」
「そうか・・・。」

 まさかこんな形であの夏のコンサートの話が宮城の耳に入っていたとは・・・。
宮城の職場が小宮栄にあって、住んでるところもオフィス街のど真ん中ってことはすっかり忘れてたし、まさか宮城がその手の店に出入りしてたとは思いも
しなかったからな。
まあ、その時はそんなこと考えてる余裕なんてなかったが。世間って案外狭いもんだ。
 受話器の向こうから何やら物音がする。よく聞こえないが、宮城を呼んでいるらしい。
はい、今行きます、というややくぐもった声の後−口の部分を手で塞いでいたんだろう−少し慌てた様子の声が聞こえてくる。

「御免、祐司。お呼びがかかったから今日はこれで切るわ。元気でね。」
「ああ。そっちこそな。」

 俺の返事が届いたかどうか確認する前に、通話はぷつっと切れてしまった。
何の仕事してるのか知らんが、結構慌しそうだな。
まあ、宮城は新人だからまだ波を乗りこなせないところもあるんだろう。
俺は受話器を置いて溜息を吐く。何やら今日は電話の嵐だったな・・・。
こうも図ったように順番に電話がかかってくるなんて、それこそ宝くじに適用出来たら一晩で大金持ち!
 ・・・って、何馬鹿なこと考えてんだ、俺は・・・。
宝くじならもう当たってる。それも絶対金には代えられない、特製の宝くじが。
それをどう生かすかは俺次第ってところも普通の宝くじとは違う。
俺はデスクに置いてある写真立てを見る。そこに写る俺と、俺が偶然手にした特製宝くじ・・・。絶対、大当たりにしないとな。俺にとっても、晶子にとっても。
 さて、と。今から何をしようか・・・。レポートは昨日の夜一気に片付けちまったし・・・。ギターの練習でもするかな。
普段はやりたくても講義の都合で思う存分出来ない時が多いから、やれる時にやっておこう。
時間は・・・、椅子から立ち上がってベッドの枕元の目覚し時計を見ると、まだ1時前だ。
晶子を迎えに行くために家を出るのが5時だから、まだ十分余裕はある。

 俺はギターとシーケンサの準備をする。練習するのはやっぱり、この前投入したばかりの新曲「UNITED SOUL」だな。
マウスを操作して曲のデータを開くと、画面の約半分を占めるデータ画面に幾つもの黒い点が−これがデータだ−現れる。
アンプの音量を控えめにして、フレットに左手を添えてから右手で「PLAY」ボタンをクリックすると、演奏が始まる。
勿論、タイミングを取れるようにちょっとアレンジしてあるが。
 この曲はほぼギターが主役の座を独占する。
その他は殆どベースとドラム、パーカッション、ギター−原曲はオーバーダブ(註:別々に録音した音声を一つに集約すること)でもう一つ入ってる−で
シンセの出番は少ない。
サックスとユニゾンするところは多いが、ギターが前面に出る感じだから無いなら無いで構わない。実際、店じゃ俺一人で演奏してる。
まあ、混雑が当たり前になってる店で二人以上ステージに上がるのは厳しいという現状もあるんだが。
ちなみにこの曲、俺と同じ姓のギタリストの手に拠るものだ。
 俺は演奏を始める。この曲はかなり人気が高い。俺自身ギターメインということで気に入っている。
演奏しているとどんどん曲にのめりこんで行く。
今日も機会があればこの曲を演奏するつもりだ。リクエストでも候補に挙がっても不思議じゃない。
客も自分も満足出来るようにしっかりと、そして楽しく演奏しよう・・・。

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