芸術創造センター こぼれ話
Dropped talk of Performing Arts Center

2000年2月1日更新 Updated on Feburuary 28th,2000

2001/2/28

[月の終わりと始め]
 いよいよ2月も終わり。3月から暖かくなってくれることを切に期待(笑)。3月はいきなり3日間シャットダウンしますが、サボりでもストライキ(笑)でもなく、仕事の出張です。今度は飛行機に乗るんですが、私は飛行機に乗るのが初めてなので、期待の中にちょっと不安あり(汗)。
 今日出発するので荷物の詰め込みに忙しい、忙しい(もっと早くしとけよ)。衣類は多少多く詰め込んでもそれ程重くないんですが、月曜日に貰った基本栄養食が重い(汗)。何時食欲がなくなるか分からないので日程分だけ持っていくんですが、3日分でも相当重い(汗)。
 基本栄養食といえば・・・昨日の夜は気分が優れなかったので試しに飲んでみました。基本は・・・牛乳?それにしては割とどろっとしてて、味も何と言うか・・・複雑なお味でした。不味い訳ではないですが。

「じゃあ、これももっとし易くなるかな?」
「何が?・・・あ。」

 俺は晶子の頭に左手を回して一気に引き寄せる。唇と唇がしっかりと密着する。左腕で一応人の居る方向からは避けてるつもりだが、頭の近付き具合で直ぐ察するだろう。でも・・・そんなことどうでも良いや。
 晶子は最初少し戸惑ったみたいだったが−俺の後ろにある両手がわたわたしていた−、少しずつ落ち着きを取り戻して俺の両脇を通した手を俺の肩に後ろから引っ掛ける。その分頭の高さが俺とほぼ等しくなる。これだと外からも見えてるかもな・・・。ま、良いや。
 波の音が遠く聞こえ、子ども達の歓声が鳥達の囀りに聞こえる。仄かな静寂に包まれた二人分の世界の中で、俺と晶子は唇を重ね続ける・・・。

「年越し、どっちの家でします?」
「俺の部屋でも良いけど・・・長閑に年越しっていう状態じゃないぞ。」

 俺と晶子は堤防の大きな段差の中央部分に並んで座っている。長いキスの余韻がまだ残っているのか、晶子はぴったりと身体を横付けして俺の肩に凭れている。俺もあの唇の感触がしっかりと頭に焼きついている。当分取れはしないだろう。

「部屋、少しは掃除しないと駄目ですよ。」
「何かなぁ・・・。雑誌とかもう読みきったしかなり前のやつだから捨てようかな、とも思うんだけど、いざって時になると迷っちまうんだよなぁ。」
「そのうち雑誌で部屋が埋まっちゃいますよ。」
「どれだけあるか自分でも見当も着かないからな・・・。もう手遅れかも。」

雨上がりの午後 第436回

written by Moonstone

 気持ちの集中・・・。言われてみればそうかもしれない。好きだ、というときにもどんなシチュエーションで言うか、言うタイミングは何時が良いか、とかあれこれ考えてたからな・・・。もっと気軽にすれば良いのか?

2001/2/27

[内部的病人]
 普通、病気は激しい咳とか何かしらの症状が外に現れるものですが、私の場合は見た目には殆ど健康体です(疲れると顔色が悪くなるくらい)。しかし、内部的には大乱調(汗)。色々苦労してます、はい。
 月曜日病院に行きまして、現状(立ちくらみや目眩がするとか)を言うと、血圧を測って採血されました。心療内科でこんなことするのか?と思われるかもしれませんが、大抵の医師は基本的な診療が(採血とか簡単な手術とか) 出来るそうです。内科で溜まった膿を切り出すという手術を受けた人も居ます。

 血液検査の結果は次の診療のときに判明するでしょうが、血圧だけはその場で分かりました。上は100切ってたし(汗)、最高と最低の差が20くらいしかない相当の低血圧人間だと判明。また、症状を説明していくと(食欲がないとか)かなり血糖値が低いそうで、食べられないときの基本栄養食なるものを貰いました。見た目には缶ジュースにしか見えないですが、1日に必要なエネルギーや成分とかが入っているそうです。カ○リーメ○トと同じようなものですね。
 これから仕事に行くときは1缶持っていくようにしますが、スチールは重い。薬局から家まで持って歩くのはかなり重かった・・・。アルミには出来ないのでしょうか?
びっくりして反射的に跳ね除けるかと思ったら、俺の背中に回した腕により力を込める。その両腕が俺の存在を確かめるように彼方此方動く。

「俺は・・・自分で言うのも何だけど口下手だから・・・こうやって行動で示すようにするつもり・・・。不満かもしれないけど・・・。」

 すると晶子が首を何度も横に振る。

「これで・・・充分です。時々で良いですから言葉も添えてくださいね。」
「そうするようにする・・・。まだ言い馴れないけどな・・・。」

 俺と晶子はそのままじっと、ぐっと抱き合う。波の音と子ども達の歓声が遠くなっていく。この世界に俺と晶子しか居ないような気分になってくる。

「ちょっと練習してみます?」
「練習って・・・必要あるのか?」
「何事も経験、経験・・・。」

 囁くような会話の後、俺は俺をじっと見上げる晶子を見詰める。

「・・・好きだよ。」

 するとなかなか言えない言葉が自然と零れ落ちる。屋外で誰が見てるか分かりもしないのに、すんなり言えた・・・。何故?世界から俺と晶子が隔絶されたからか?
 晶子は柔らかい微笑を浮かべる。その顔は同時に嬉しさに満ち溢れている。

「ほら、言えるじゃないですか。」
「・・・何でだろうな。」
「気持ちが私に集中できてるかどうか・・・。それだけですよ。」

雨上がりの午後 第435回

written by Moonstone

 言えないなら行動で示すしかない。そう思った俺は晶子の身体をぐっと抱き寄せる。突然の俺の行動に、晶子はあっ、と言って俺と身体を密着させる。

2001/2/26

[起きたけど動けん・・・]
 日曜は9:00に起きれました。でも昨日と同じく身体がだるくて、朝食を食べてもう一度横になりました。一応昨日やろうと決めたことは(自転車屋に行くことと買出し)しましたが、自転車が開店日に関わらず休み(怒)。今週は歩きで仕事行ったりせにゃならんです。今週もハードな日々になるのは決まりだから、その疲れに歩きの疲れまで加わるわけか・・・。おのれ自転車屋(怒)。
 それに加えて食欲が湧かないです。身体も気だるいし吐き気もまだ続いてるし・・・。夕食を食べたのは20:00くらいかな。立ちくらみもするし、ずっと横になってたんですけど、なかなか回復しない。やっぱりぶり返してきたか?かと言って仕事詰まってるから休むわけにもいかないし・・・困ったもんだ(泣)。5日間やり過ごせるか不安でいっぱいです。

「女の子って結構勝手なんですよ・・・。」

 晶子が波の音に声を混ぜ込む。線の細いソプラノボイスは波の音に打ち消させることなく俺の耳に届く。

「自分が相手から愛されてるか、愛されてるって分かっていても直ぐ不安になって相手に言わせたりするんですよ。心配性っていうのかな・・・。それが男の人からすればしつこいとか、何で分かりきったことを、とか思うんでしょうね・・・。」
「・・・。」
「でも、言ってもらえないと不安になるんです。何だかんだ言ったって・・・女の子は自分勝手なんですよ。そうであって欲しいと思ってそれを要求して、それを反故にされると不安が苛立ちに変わっていく・・・。そういうものなんですよ。」
「こう言うのもなんだけど・・・前と比べるとよく分かる。」
「遠距離恋愛が難しくて、特に女の子の方から離れて行っちゃうのは、女の子のそういう側面が男の人にカバーしきれない場合が多いから・・・。」
「改めて言われてみると・・・ああ、そうだったんだなって思える。」
「祐司さんにはちょっと嫌なこと思い出させちゃいましたけど・・・時々でも良いから祐司さんの方から好きだ、って言って欲しい・・・。」

 好きだ、と言おうとすると言い慣れないせいか口篭もってしまう。優子との時積んだ「経験」は全く役に立たない。相手が違うと前と同じようにはいかない。元々言うだけでも相当の覚悟が必要な人間だからな・・・。

雨上がりの午後 第434回

written by Moonstone

 晶子は俺の首から両腕を離して姿勢を戻す。そして俺の両脇を潜らせる形で両腕を俺の背中に回す。抱き締める、というよりは軽く抱きとめる感じだ。その上で額を俺の胸にくっつける。

2001/2/25

[目覚ましを使った!効果がなかった!(爆)]
 確かに目覚ましはかけました。何時もなら嫌でも起きる音としつこさを誇る目覚ましを。さらにステレオのタイマーもセット(こいつ、最近ちょっと当てにならんが)。それで目を覚ましたのは昼の3時(爆)。目覚ましも枕の直ぐ隣において置いておいたというのに全く効果がなかったらしいです(汗)。
 目覚ましをも無視するとは余程ぐっすり寝ていたんでしょうね。それで爽やかな朝(昼だ)を迎えたか、といえばそんなことは全然なくて、全身が気だるくて遅すぎるブランチを食べて薬を飲んでまた寝る(爆)。夕食も簡単に済ませました。寝てばかりで腹が減らないということはないですが、胃の調子があまり良くなくて、食べる気がしなかったです。吐き気がまだちょっと残ってるし。
 今日は自転車屋にパンクした自転車を持ち込んで買出しに行って・・・と本当なら昨日やりたかったことをしなければなりません(自転車以外移動手段がない)。今度は大丈夫かな・・・。一先ず9:00に目を覚ませば合格、とします(爆)。
「だって祐司さんって、こうでもしないと好きだとか言ってくれないから・・・。」

 晶子の声が引いていく波の音と共に耳に溶け込んでくる。確かに俺は・・・なかなか好きだ、とか愛してる、とか言えない。優子との時もそうだった。女って言葉で確認しないと不安になるんだろうか?

「口で言われないと不安か?」
「・・・多少・・・は。」
「不安になるんだろ?相手の気持ちが自分から逸れていないかどうかが。それに声だけじゃ相手が見えなくて余計不安に感じて、まめに会いたがるんだろ?」
「・・・それだけよく分かってるなら、最初から素直に返事してくださいよ。」
「ついさっきそんな気がしたから・・・。」

 そう、優子とのことを思い出したからだ。高校時代は殆ど毎日会っていたし、休みの日のデートも加えれば会わない日はないって週もあったくらいだ。それでも人目があるところ以外では、優子は度々私のことが好きかどうか尋ねてきた。
 俺はお互い好きだと分かってるだし、両想いになったのは色々なシチュエーションがあるけど、何より「相手のことが好きだから」ということを確認しているんだから、その後は頻繁に確認する必要なんてないと思っていた。
 だが、実際は可能な限り確認しないと気が済まなかったようだ。キスを求める頻度は俺の方が多かったと思うが、それでもその後で好きだ、と一言添えると優子は尚瞳を潤ませて、自分からキスしたりさらに舌を入れてきたりした。俺がこっちに来てからは、毎日の電話では勿論、会う度に好きかどうか何度も尋ねてきて、寝る前にもその最中にも、終わってからも何度となく尋ねてきた。それはてっきり優子独特のものかと思っていたが、晶子も同じだった。毎日でも顔を合わせ、好きだと言わないと駄目なんだ、女っいうものは・・・。今それを実感する。

雨上がりの午後 第433回

written by Moonstone

「な、何だ、いきなり!」
「嬉しかったから。」
「だからっていきなり抱きつくなよ。危うくひっくり返るところだったぞ。」

2001/2/24

ご来場者89000人突破です!(歓喜)

 ・・・最近結構早いですね。カウンタが回るのが。更新も此処暫くまともに出来てないというのにありがたいことです、はい。知らないうちにかなりカウンタが進んだグループが多いので、次の更新辺りで「担当より」も更新しましょうかね。

[久しぶりに夕食自宅で食べたよ(^^;)]
 3日連続帰宅時間23:00頃という悪夢を招いた物体は、金曜日に無事完成しました(拍手)。その金曜日も帰宅は3日間より30分早いだけでしたが(爆)。
 原因は測定方法を間違っていたのと、まさか此処が、というような素子が内部的に破壊されていて(正常な回路と比較すれば分かる)何時まで経っても信号が伝播しない、という事態を招いていたわけです。
 過ぎてしまえば何だこんなことで、というようなことなんですが、気付かないときは神経がどんどん磨り減っていく思いでしたよ(汗)。吐き気は続くし、そのくせ眠気は酷いし、散漫になりやすい思考で続けるのは苦痛でしたね〜、流石に。
 今日から2日の休日。寝る・・・のはこのお話を始める前に2時間ほどやってしまいましたが、薬を飲んで目覚ましを遅くセットして大人しく寝て、目が覚めた時間からゆっくり作品制作に取り掛かりますかね。
「そういうの、何所かで誰かに無性に話してみたくならないか?」
「なりますよ。でもこっちはただでさえ女の人が多いから、噂は直ぐ広がりますしね・・・。変な娘だ、って。ちょっと息苦しいですよ。」

 晶子が寂しげに微笑む。理工系男子なら誰もが憧れる(?)女子大生の花でいっぱいの文系学部でも、晶子のようなタイプだと居場所がないように感じるんだろう。なまじ真面目だけに尚更息苦しいだろうな・・・。

「・・・せめて自分だけでもそういう色に染まらないようにしていきたいなって思って・・・。だから友達少ないですよ。その娘達とも別に一緒に何処かへ遊びに行ったりするわけじゃなくて、大学の中だけの関係ってところですね。」
「大学じゃもう・・・全てとは言わないが人と人の繋がりがなくなってるのかもしれないな。」
「私達みたいなカップルを除いて、ね。」

 晶子は話を一気にそっちに飛ばす。咄嗟に返す言葉が思い浮かばない。晶子は目を見開いて俺の顔を正面から覗き込む。余計に言い辛くなって視線を逸らすと、晶子は俺の腕から離れて俺の正面に来る。

「そうですよ・・・ね?」

 口調こそ軽いが俺を見る目は真剣で且つ切なげだ。俺はごくっと唾を飲み込んで、砂浜を背に立つ晶子に言う。

「・・・ああ、そうだよ・・・。」

 すると晶子は表情を一転してぱあっと明るくして、俺の首にがばっと抱き着く。俺はその勢いで2、3歩後ずさりしたが、晶子を抱いて砂浜に倒れるのを防ぐ。

雨上がりの午後 第432回

written by Moonstone

「それは私達でもよく似た状況ですよ。真面目な話題で自分の考えを主張したりすると避けられちゃうから、ファッションとか髪型とか、当り障りのない会話ばかりですよ。そういうのがつまらなくて・・・。」

2001/2/23

[・・・アウト]
 3日連続で帰宅時間23:00過ぎ。おまけに殆ど事態に進展なし。もういい加減疲れました。吐き気も酷いし・・・。今日はこの更新を終えたらすぐ寝ます。出来ればそのまま目覚めなければ良いのに・・・。
 俺は勢いづいて一気に自論を吐き捨てる。俺の子どもの頃は夕方まで遊んでるのが普通だった。喧嘩しても翌日にはけろっとした顔で遊んでいた。なのに何時からだろう・・・。付き合いが上っ面だけのものになって、些細な諍いを起こせば一言も口を利かなくなったりするようになったのは・・・。
 ・・・中学からか?成績で全てが決まるようになったのは。成績次第で人を見下ろしたり見下したりするようになったのは。高校には完全に序列があって、「上位」の高校に行く奴は自然と「下位」の学校の奴を見下ろすようになっていたように思う。俺はそれに違和感を感じて・・・当り障りのない関係を幾つか築いておいた上でギターに没頭するようになったんだったんじゃないか・・・?その中で数少ない強さの絆を築いたのが、バンドのメンバー達と・・・優子だったってわけか。もっとも後者は予想以上に脆かったが。

「・・・祐司さんの言うことが正論に思えます。悲しいことですけど・・・。」
「ちょっと口が過ぎたかもしれないな。俺だって大して賢い頭持ってるわけじゃないのに。」
「でも、そうやって自分の考えをしっかり持ってて、それをはっきり言える人って少ないですよね。」
「突っ込んだ話をしようとすると避けられるんだよ。固い奴とかってな。智一くらいかな。同じ学科でこんな話が出来るのは。」

雨上がりの午後 第431回

written by Moonstone

「その上、将来のためとか言って習い事や塾に押し込んでる。大人が最近の子どもは対人関係が築けない、だから問題を起こすってほざくが、子どもから遊ぶ場所と時間を奪って対人関係を築けなくしてるのはてめえら大人だってことに気付いてない。・・・馬鹿ばっかりだ。」

2001/2/22

[一難去ってまた一難]
 実際に一難どころじゃないんですわ、これが(泣)。昨日同様ぶっ通しで動作試験をしてたんですが、昨日の問題は解決できたものの、今度は動作の肝心な部分に問題発生。先に動作試験をクリアしたものだけにトラブル発生自体が理解できないんだな。その他、素敵に煙を吐く部分が出てきたり、異常加熱の部分が出てきたり、解決しようとすればするほど問題が出てきて闇雲に挑むのみ。
 で、結局23:00頃まで格闘して敗北の上帰宅。もう家がページの更新と寝るための場所になりつつあります。こういう状況、良くないんですけどね〜。今の病気を引き起こした状況そのものだから。気分的にもかなり滅入ってます。
 私は気分転換というのが下手なんですよ。だから何時までも問題を引き摺って楽しいことも楽しくなくなる、と。その悪循環の結果が今の病気な訳ですが。まだ今は倉木麻衣のCD聞こうと思うだけましか。でも明日には解決させないと、また頭が行き詰まりを起こしそうだな・・・。
 さらに近付くと周囲を囲んでいた民家の壁が急に開けて、見渡す限りの白い砂浜とぼんやり霞む海が見える。夏の色、蒼とは違う、眠りの色とでもいおうか。ただ打ち寄せて海岸にその痕跡を残して砂をさらって退いていく・・・。少し曇りがちな空と合わせて寂寥感を醸し出している。
 周囲を見回してもこの辺りの子どもだろうか、数人の子どもが砂山を作ったりそこにトンネルを掘ったり、波を堰き止めようとして懸命に堤防を作るが、打ち寄せる波に簡単に崩されて、それでも堤防を補強してより長い堤防を作ろうとしている。

「あの子達、可愛いですね。夢中になって遊んでる・・・。」
「俺もガキの頃は公園の砂場でああやって山作ったり、水路作って水流したりして喜んでたもんだよ。」
「祐司さんもですか?私は飯事遊びや縄跳びとかかくれんぼとかしてましたよ。」
「かくれんぼか・・・。どうりで人を追っかけるのが上手いわけだ。」
「そうかもしれないですね。」

 晶子はくすっと笑う。でもその追っかけがなかったら今の関係はなかったかも知れないんだから、晶子の幼児時代に感謝しておこうか。

「でも・・・今外で遊んでる子なんて殆ど見かけないですよね。」
「習い事や塾はあるし、俺たちの頃にはなかったTVゲームなんかがあるしな。それに・・・遊ぶ場所そのものも減ってる。減らされてると言った方が良いかな・・・。」
「減らされてる?」
「ああ、特に大人にな。昔なら泳いだり魚や蛙取ったりしてた場所には行くなって言われて、公園の砂場は汚いから遊ぶな、と言われ、空き地には入るなって言われるし、道には車がわんさか通ってる。」
「・・・確かに・・・そうですね。環境が全然違いますよね。」

雨上がりの午後 第430回

written by Moonstone

「あ、海が見えましたよ。」

 晶子が左手で指差す方向に、寄せては返す水の動きの一部を垣間見ることが出来る。そしてその手前に白い平原がある。水と触れ合う部分だけが褐色を微妙に濃さを加減しているも微かに見える。

2001/2/21

[キツい日程だな・・・]
 夕食と多少の休憩を除いてぶっ通しで実装作業をしていたので帰宅したのが23:00頃でした(汗)。組み上げて動作試験をして成功・・・の筈が、トラブル発生確率が一番高い個所でトラブル発生。大凡の原因は推測できたものの確証が持てないので、今日(もう昨日かい(汗))は組み上げたところまでで終わりとしました。修理に手間がかかるので。
 薬の袋は無事回収しましたが、手持ちの金があと僅かになっていて、夕食の代金を支払う段階で紙幣1枚と硬貨数枚しかなかったときは流石に焦りました(爆)。今日(文字どおり今日)は絶対銀行へ行かねば・・・。
 昨日薬を使わずに寝たんですが、予想どおり寝たり起きたりを繰り返しながらも、割とすっきり起きることが出来ました。・・・目覚めがいまいち良くないのは薬のせいかも。でも、深夜にパッと目を覚まして眠気を全く感じないというのは嫌だしなぁ・・・。

「祐司さん、行きましょうよ。」
「あ、ああ。」
「どうかしたんですか?」
「ん・・・推測どおりでちょっと拍子抜けしたっていうか・・・。」
「良いじゃないですか。推測どおりだったんですから。」

 晶子は俺の左腕を取って引っ張るように前に進み始める。俺は慌ててその後に追いつこうとする。バスターミナルがある駅の前を抜けてそれに面した大通りを渡る。観光客に分かりやすくするためか道幅が広くなっている前の道を歩いていく。
 夏なら海水浴の客で大混雑するだろうこの通りも、シーズンオフの今は人通りが少ない。民家が多いので商店街みたいに人が集まる場所がないのもあるだろう。何だか人の居ない町に足を踏み入れたような気がする。
 吹き抜ける風はかなり冷たい。だが、それ程頻繁に拭くわけじゃない。ゆっくりしたペースで方向を変えながら潮の香りを残して飛び去っていく。師走だからといって風まで忙しなく吹き抜けていくことはないのに。

 この間、俺と晶子の間には会話はない。今時こうも無口なカップルも珍しいだろう。だが、言葉がなくても俺は左腕に晶子の存在を感じるし、晶子は右腕を通して俺の存在を感じてるだろう。会話をするときはそれなりにするがそれ以外のときはくっついたり手を繋いだりこうして腕を組んだりと相手の存在を感じていればそれで良い。そういう関係もあって良い筈だ。流行の場所や繁華街を徘徊するだけが今時のカップルのあり方なんて、そんなものはないし、あったとしてもそれに従う必要なんてない。

雨上がりの午後 第429回

written by Moonstone

 近くの案内表示を見ると、このまま真っ直ぐ行けば海に行けるのは間違いない。これでもか、とばかりに分かりやすく書いてある。徒歩で10分程度の場所らしい。『ようこそ!海水浴場の柳ヶ浦へ』なんて看板もその案内表示の横に建っていたりする。何のことはない。海水浴場として名の知れたところらしい。

2001/2/20

[肝心なもの忘れた(汗)]
 肝心なもの、とは普段服用している薬を入れた袋です。仕事が長引いたり夕食を作るのが面倒に感じるとき夕食は外食になるわけですが、そのときに薬の調合が出来るように普段持ち歩いています。それがあだになって、割と早く帰った月曜日にはその袋のことが頭からすっぽんと抜け落ちてしまったせいで、帰宅して暫くしてから仕事場に忘れたことに気付いてショック(汗)。
 今更取りに戻るのも辛いので(何と言っても寒い)、今日は夕食と寝る前の薬の服用を諦めるました(朝は仕事場到着直後に飲めば良いでしょう)。今日は多分つぎはぎみたいに寝たり起きたりを繰り返さざるを得ないでしょう。夜に連続で寝られる時間は2、3時間ですから。
 うー、これじゃ火曜日どうなることやら(汗)。昼の薬(効きは強いが副作用の眠気も強い)を飲んだら即ぶっ倒れるかも。とりあえずないものはどうしようもないですし、BGMを倉木麻衣にセットしてぼんやり眠気が来るのを待つとしますか。
 電車の中はレールを走る電車の音をベースにして結構騒がしい。子連れで子守りに手を焼いている母親、携帯電話で大声で喋ってる奴−電車の中では切れよ−喧騒を撒き散らす茶髪の集団。まあ、数分の我慢だ。人ごみが少ないのを除けば、大学との往復の風景と大して変わりはない。
 一度減速して停止する。人の乗り降りはさほど多くない。社会人はまだ仕事で学生は休みだから、人数が減るのはある意味当然かもしれない。電車はホイッスルの音の後ドアが閉まり、ゆっくりと走り始める。目指す「柳ヶ浦」という駅は次の駅だ。
 駅名は確かに海を連想させるが、実際違ったらどうしよう?・・・間違ったから別の駅を探すか、とでも切り出すか?うーん、間抜けだな・・・。出不精なのがこういうときに響いてくるとは・・・。以前、つまり優子と付き合っていた頃は近場で済ませていたし、行動範囲がかなり限られていたから無理もないか。
 ふと思い直すと、電車に乗ってから晶子との会話がない。晶子はやや深く椅子に腰掛けて向かいの風景が流れるのをただ見ているだけのようだ。電車に乗る前は腕を掴んで離さなかったのに、何でだろう?周囲に気配りをしてのことかもしれない。ベタベタくっついているカップルを見るのは人によってはイライラするときもあるからな。
 電車が減速を始める。目的の駅「柳ヶ浦」への到着が近い。俺はポケットに入れておいた切符を取り出す。まだ駅のホームすら見えてないのに降りる準備をするのはやはり習性か?
 電車がかなり減速したところで、ふと後ろの窓の景色を見る。何やらそれ程遠くないところに横と奥に広がる白く霞んだものが見える。あれは海なんじゃないか?雪の少ないこの辺りで雪の平原なんてありえない。どうやら俺の推測は間違ってはいなかったようだ。さっきの考えが杞憂に終わって内心胸を撫で下ろす。
 電車が止まったところで俺と晶子は立ち上がって電車を降りる。降りた乗客は俺と晶子以外では2、3人だ。急行が止まる割には閑散とした駅だ。兎も角改札を通って駅を出る。何となく潮の香りがする。

雨上がりの午後 第428回

written by Moonstone

 電車は少し混んでいるが、俺と晶子が並んで座るスペースは十分ある。列で向かい合う形式の座席の中央付近に並んで腰を下ろす。此処から急行で2駅だから、せいぜい10分もあれば着くだろう。

2001/2/19

[結局眠気に敗北(爆)]
 9:00に合わせた目覚ましすらも気に留めずに13:00ごろ一度起床。ですが、眠気が全く取れない上に立ちくらみ(起きくらみ?)にも見舞われて再びばったり。ようやく起きれるようになったのが18:00。それから買出しに行ったり夕食を作って食べてしてるうちに時刻は21:00をとっくに過ぎてがっくり。これから作品制作や仕上げをするなんて、睡眠薬を飲む時間を考えると絶対不可能なので、前回同様Novels Group 3のみの更新となりました。1日延ばしても何の効果もなかったとは・・・。
 一応定期更新の曜日は暫く月曜日とします。去年の今頃は眠れなくてカンチューハイ500ml飲んで無理矢理寝ていたものですが、今じゃ四六時中寝気と戦わなければならないとは、自分の身体も上手く制御できないのは情けない話です(汗)。これからは何とかできるように頑張りますので、暫くこの状態が続くことをご了承くださいませ(_ _)。
 晶子は嬉しそうに微笑むと俺の腕を取ってそのまま切符売り場に向かう。晶子が先に財布を出して自分の分の切符を買う。奢ってもらおうというつもりはさらさらないようだ。そう言えば、前に映画館の後に入った喫茶店でもそうだったな。俺は自分の財布から自分の分の切符を買う。
 改札を通って、何時もとは逆のホームへ向かう。こっちのホームに立つのは多分初めてだ。今のアパートに引っ越すときは車だったし、それ以外ろくに外を出歩いていないし、さらに通学以外で電車を使って彼方此方出歩いた覚えもない。
 この駅のホームはアーケード状になっていて上からの雨風はやり過ごすことが出来る。しかし今日みたいに横から吹き込んでくる風には打つ手がない。ひたすら電車が来るのを待つしかない。あと・・・5分くらいだ。

「それにしても・・・晶子。」
「はい?」
「何で海に行きたいんだ?」
「海が好きなんですよ。元々。でも夏場は人でいっぱいだし、ゆっくり散策するには冬のほうが良いかなって思って・・・。」
「そっか・・・。散策か・・・。そういうのも良いな。」
「そうですか?私が勝手に思いついただけなんですけど・・・。」
「俺は元々出不精だからあんまり外を出歩かないんだ。知らないところを散策するのも良い気分転換になりそうだし、丁度良いやって思ってさ。」
「良かった・・・。変に思われてないかって・・・。」

 晶子が安堵するような表情を浮かべたとき、電車の到着が近いことを知らせるアナウンスが流れる。どんな風景が俺と晶子を待っているんだろうか・・・。

雨上がりの午後 第427回

written by Moonstone

「俺は良いよ。柳ヶ浦ってところに行ってみるか。」
「ええ。」

2001/2/18

ご来場者88000人突破です!(歓喜)

 ・・・年度内90000人は何とかいけそうですね(^^;)。他のグループは昨日チラッと調べて見ましたが、このコーナーとNovels Group 1が揃って10000人まであと少しのようです。キリ番踏んでも何も出せませんが、踏んだ方は是非ご連絡を。

[あかん、寝てもうた(汗)]
 半ば予想どおりといいますか、結局9時に起きることは出来ず、夕方近くまで横になってました。余程起きるぞ、としっかり思わないと起きれないようです。情けなや(汗)。
 起きてからも一苦労。強烈な立ちくらみが何度も起こり、一度倒れる寸前までいきました(姿勢が一定だと大丈夫)。血圧を上げる薬を飲んでるんですが、それとは無関係に起こっているのか?それだと対処のしようがないので注意するしかないです。立ち上がるときにかなり高い確率で発生するので這って動くか(爆)。
「良いですね、それ。行きましょうよ。」
「じゃあ、晶子がコート着たら出るか。」
「ええ。」

 元々出不精な俺が、それも人を誘って外に出ようと言い出すなんて以前じゃ考えもしなかったことだ。これも・・・晶子との付き合いで俺が変わったと言うことを示す一端なんだろうか?

 それから間もなく、俺と晶子は俺の自転車で駅に向かう。日はかなり高く上っているが肌を掠める冷気の鋭さに変わりはない。迫り来る年の瀬と共に強くなる冷気。この時期冷気に晒される自転車はちょっと辛い。バイクならスピードが早いから尚更だろうが。
 割と空いている駅の自転車置き場に自転車を置いて、俺は改札の上部にある路線図を見上げる。普段通学に利用しているこの新京神線は基本的に縦に長い。途中幾つかの支線があって、北の終着駅からJRだの他の私鉄だのに分岐する。俺の実家にはその分岐する私鉄を乗り継いで1時間半ほどのところにある。
 それはさておき、何所へ行こうか?地元の線なら大凡のことは知ってるが、通学で同じ駅でしか乗り降りしない新京神線の勝手は分からない。そう思っていると、俺のコートの右腕がクイクイと引っ張られる。

「海に近い駅ってどの駅か分かります?」
「海に近い駅?・・・うーん。名前から推測すると北に行った方にある「柳ヶ浦」って駅じゃないか?急行も止まる駅だな。」
「もし祐司さんが他に行きたいところがなければ、そこに行きたいんですけど・・・。」

 冬に海か・・・まさか寒中水泳なんてやると思わないが、他に行きたいところはないし、何所に何があるかは大学前の駅くらいしか知らないから、ぶらりと出掛けるには丁度良いかもしれない。

雨上がりの午後 第426回

written by Moonstone

「外に出るか?」
「外へ?」
「電車もあるし、多少遠いところへも行けるだろ。日帰り旅行気分で行ってみないか?」

2001/2/17

[更新月日の表示、間違えてた(爆)]
 今日の更新で17日付とする筈が、昨日何をボケていたのか「17日」と表記してしまいました(爆)。まだ薬飲んだ直後だったから意識ははっきりしていた筈ですから、単に私のボケですな、ハハハハハハ(大汗)。
 ・・・えー、さて、トップページをご覧のとおり、定期更新を1日ずらしました。土曜日だけでは作品を仕上げるのはとても間に合わないことが明白な状況で、焦って結局何も出来ないのでは話にならないので、暫定的にこのような処置を取りました。暫く平日に作品制作が殆ど出来ない状況が続きますし、定期更新の曜日を月曜日に移動するかもしれません。
 これらの計画を順調に進めるには今日9:00に起きることです。此処で起きられないと今までのように「何か気だるい」と言って夕方近くまで寝てしまうでしょうから(汗)。
 だが、顔もろくに知らない人々が壁や天井−或いは床−を隔てて住んでいるという事実は俺の家でも変わらない。こういう共同住宅なら何所でも起こりうることだ。俺は・・・ギターの練習の時にはヘッドホンを使ってるし、隣に音が漏れないようにそれなりに気を使っているつもりだ。
 晶子のマンションはかなり新しいから、防音も俺の家より良いだろう。だが、上下左右に接する部屋の住人とトラブルになるようなことは避けるにこしたことはない。

 晶子の家に入って直ぐ、晶子が食料を冷蔵庫に収めていく。3ドアの冷蔵の収納スペースを上手く利用して買ったものを収納していく。鶏肉や豚肉といったトレイに入って包装されているものは、包装を解いて均等な量や数に分配していって冷凍庫に収め、敷き紙(?)をポリバケツに入れてトレイは流しに放り込む。トレイの回収籠とかが店に入った直ぐのところにあったから、ある程度溜まったら買出しのついでに持っていくつもりなんだろう。
 魚2匹も持つのに躊躇することなく冷蔵庫の中央の棚に収める。良い意味で生活感が身体に染み込んでいる。魚怖ーい、などと言われると可愛いというより情けないと思える。そのくせ一方じゃ生きてる爬虫類なんかを可愛いと言ったりするから訳が分からない。

「よし、収納は終わりっと。祐司さん。これから如何します?」

 冷蔵庫のドアを閉めた晶子が俺に尋ねる。俺一人のときはギターの練習をするかアレンジするか、或いはベッドに横になってCDを聞くくらいだが、折角二人なんだしまだ午前中、その上今日はバイトも休みだからこのまま此処に居るのは勿体無いような気がする。

雨上がりの午後 第425回

written by Moonstone

 自分に念を押すように晶子は言う。表情は元の明るさを取り戻している。俺は内心ほっと胸を撫で下ろす。こういうシチュエーションには慣れてないからな・・・。笑顔が戻って良かった。

2001/2/16

[やっぱり倉木麻衣のライブ行きたいっ(>_<)/]
 本日もBGMは倉木麻衣のCDでお送りしております(笑)。「Reach for the sky」が入ったアルバムは何時発売されるんでしょうね。楽しみ、楽しみ♪
 15日は制作する6台のうち2台目が大したトラブルもなく無事完成し、自己満足に浸っております。まだあと4台残ってるんですが(汗)、1台完成させたら半分さ、4台作れば2/3さ、(以下略)などと気楽に考えています。他にもやることいっぱいあるから、帰宅がどうしても遅くなるのが難ですね。ひととおり家事を済ませて横になると簡単に3時間くらい熟睡してしまいますから。幾分薬の副作用が強いのかもしれません。
 更新が最近遅くなり気味なのは、眠りから目覚めた0時過ぎに更新準備を始めるためです(連載含む)。連載は時間がないときに直ぐ使えるように書き溜めしておきたいんですが、睡眠薬を飲む時間が変にずれ込むと翌朝酷いことになるので今日の分と少し多めに書いてこのコーナーの更新するのが精一杯です。
 明日の状況にもよりますが、また定期更新の量が少なくなりそうです。メールのお返事も書けない(該当する方御免なさい)今の状況では作品制作は夢のまた夢。土曜日に早く起きて一気に仕上げるか・・・。起きれるかどうか多大に不安はありますが(爆)。
どうも俺と晶子が、否、多分晶子が気に入らなかったんだろう。女性専用のマンションに男を連れ込むとは何事か、とでも思ってるんだろう。
 晶子もさっきの女のキツい視線に気付いたのか、ちょっと表情が暗い。まあ、女性専用マンションに男の俺が出入りしているなんて、人によっては猛獣を連れ込んだように感じるかもしれないしな・・・。

「・・・なあ、晶子。」

 やや気まずい雰囲気をどうにかしようと無謀にも試みる。

「マンションやアパートなんて隣が誰だか殆ど知らないじゃないか。此処より規模のずっと小さい俺の家だってそうだし。また顔を合わせるかどうかなんて分からないし、今度出くわしたときには顔忘れてると思うぞ。」
「・・・そうですね。」
「だからあんまり気にしないでさ。それにさっきの女だって実は、ってことも考えられるわけだし、・・・な?」
「・・・ありがとう、祐司さん。気を遣ってくれて。」

 晶子の表情が明るくなる。逆に落ち込ませやしないかと不安だったが、どうにか効果はあったようだ。

「私もお隣の人と顔を合わせたときは滅多にないんです。行動時間がそれぞれ違うからだと思うんですけど。それに此処には男の人を入れてはいけないって規則はないですし、私が罪悪感を感じないんですよね。」
「そうさ。俺が初めて入ったときにも入り口のところにいる人に止められたことってないし。だったら尚更晶子が悪く思う必要なんてないって。」
「そうです・・・よね。」

雨上がりの午後 第424回

written by Moonstone

 お約束のセキュリティを晶子が解除して、俺と晶子は二人並んで中に入る。入ったところで見知らぬ化粧の濃い女と出くわす。俺達を、特に晶子の方を見てフン、と鼻を鳴らして足早にすれ違って出て行く。

2001/2/15

ご来場者87000人突破です!(歓喜)

 ・・・書くの遅すぎ(爆)。大手サイトと違ってこのページで千の位を上げるのは大変なんだからきちんと書き残していかないと・・・。そうこうしているうちにもう88000人に近付いてるし(汗)。年度内に何所まで行くかな?

[原潜事故で見えてくるもの]
 アメリカの原潜が急浮上の際に実習船を破壊、沈没させてしまった事故。これは情報を探っていくうちにアメリカ軍、否、軍隊そのものの気質と日本政府のアメリカへの従属振りが見えてきます。
 波がかなり穏やかで縄梯子を下ろしていたにもかかわらず救助しようとしなかったこと。これは軍隊は人を助ける組織ではないことを証明しています。災害救助で軍隊が使われてるじゃないか、という反論もあるでしょうが、それは専門の組織を充実させて使えば良いこと。軍隊の目的は人を殺すことなんですから救助に参加すること自体が目的と矛盾しています。
 そして日本政府。普段から危機管理だどうのこうといっておきながら、自国の民間人が別国の軍隊に行方不明にされながら「危機管理の対象ではない」とゴルフに明け暮れた首相、アメリカに抗議するどころかアメリカ側の説明を繰り返し、「(事実は)明らかになってくるだろう」と他人事のような答弁をする外相。これでも「アメリカは日本を護ってくれる=>安保条約は必要だ」といえますか?有権者諸氏は今度の参議院選挙でその点も充分考慮して投票してください。
実際、食事はコンビニと店での潤子さん手作りの食事で間に合ってるし、洗濯物も一人だからそれ程出るわけじゃない。掃除は・・・理由がない限りしない。あれだけはどうしても苦手だ。どうせ少しすればまた汚れることを考えると掃除なんてする気になれない。
 前に電話があった時は「彼女とはどうなの?」と聞かれた。その時は優子と切れて晶子のストーカー攻撃に晒されていた頃だったから、もう終わった、と語気を強くして答えた。元々母親の方は優子を快く思ってなかった節があったし、ある意味問題解決、と思ったものだ。
 だがそれから時が流れ、今は後ろに新しい彼女を乗せて買い物帰りだったりする。それも彼女の家に一泊して。たった2、3ヶ月でこうも自分の周りが変化するものなんだろうか?改めて思うと1年や2年が早く感じるのも当たり前に感じる。
 自転車は晶子のマンションに到着して元あった辺りに置く。俺は野菜なんかが入った袋を籠から取り出す。晶子はでかい魚が2匹入った袋をぶら下げて自転車を降りる。

「晶子。袋、俺に渡せよ。」
「え?家までもう少しですから・・・。」
「セキュリティが解ける手が塞がってたら家まで近づけないぞ?」

 晶子はセキュリティのことを思い出したらしく、恥ずかしそうに頭を掻く。そして素直に俺に袋を渡す。

「すっかり忘れてました。」
「晶子でもそういうところあるんだな。」
「ありますよー。こう見えても私、結構忘れっぽいところあるんですから。」
「威張んなよ、そんなことで。」

 俺と晶子はどちらからともなく笑う。きびきびしているという印象が強い晶子が忘れっぽいところがあるなんて、また一つ晶子の面白い面を見たような気がする。・・・俺は晶子から如何見えてるんだろう?

雨上がりの午後 第423回

written by Moonstone

 俺は男だからか、此処に移り住むときにも親から火の元の確認や鍵のことくらいしか注意されなかった。まあ、大学生だし自分のことは自分でどうにかするだろう、と踏んでいたんだろう。

2001/2/14

[現在のBGMは倉木麻衣]
 ラジオを0時で切ってから(以前はジェットストリームが良かったんですけどねぇ・・・)使っているPCに昨日買った倉木麻衣のCDを入れて、それを聞きながらお話しています。BGM聞きながら更新作業することはあまり無いんですけど、どうしても聞きたくなったもので(笑)。
 疲れ易いのを除けば(このお話を始める前にも寝てた(汗))心身の調子はかなり良好になっています。13日は朝から猛烈に眠かったのですが、多分今日から多少はましになるでしょう(薬の配分を変えるように言われたので)。
 以前は音楽を聴こうとも思わなかったのに、随分変わったように思います。疲れ易いのはまだ病気の症状があるということですが、担当のお医者さんにもかなり良くなってるようですね、と言われたので、注意深く、慌てずに治していこうと思います。
 自転車置き場に戻ると、周囲の自転車は降りたときと大して代わりがない。車は頻繁に出入りしているが、この近くの人でも自転車で来る人は少ないようだ。自転車の方が手っ取り早くて便利なのに。詰める荷物の限界を除けば。
 俺は野菜とかが入った袋を前の籠に入れる。晶子は俺の左手にぶら下がっていた袋を取る。俺が自転車に跨ってスタンドを上げると晶子が荷台に座って俺の腰に腕を回す。多分魚が入った袋はもう一方の手に抱えられているんだろう。

「じゃあ、行くぞ。準備良いか?」
「はい。良いですよ。」

 俺は自転車のペダルを漕ぎ出す。行きより荷物が増えたせいか、ちょっとペダルが重く感じる。まあ、殆ど平坦な道程だし、あの長い登り坂も下り坂になるし、相変わらず出入りの激しい車に注意すれば大丈夫だろう。
 冬も本格的になって肌に感じる冷気も厳しさを増している。手袋やコートを通してもその冷気は肌に伝わり、身体に染み透ってくる。だが、後ろが温かいのが有り難い。これは一人で居た時にはなかったことだ。ここでも一人と二人の違いを感じる・・・。
 今日は夕食後に自分の家に帰るつもりだが−放り出しておくのは物騒だし、服や下着も替えたいからだ−、何だか帰るのが惜しいというか・・・自分の家に戻るという感覚があまりしない。自分の家から実家に帰るというのと同じ気分だ。仮にこのまま晶子の家に住み続ければ・・・同居という既成事実がまだ一つ積み重なってしまうことになるな、きっと。

雨上がりの午後 第422回

written by Moonstone

 晶子はそう言って俺の腕に自分の腕を回す。予行演習ってところか?周囲からは絶対同居中のカップルか夫婦としか思われてないだろう。これもまた既成事実として積み上げられていくような気がしてならない。

2001/2/13

[買った〜聞いた〜]
 9時に起きるつもりが4時間遅れで(爆)ようやく起きれて、買出し少々の後CDショップへ久しぶりに入りました。まず目指すは倉木麻衣のCD。普段出入りしないエリアなので少々迷いましたが無事ゲット。これと併せてT-SQUAREのCDもゲット。そして家に直行。他にも幾つか欲しいのがあったけど予算の関係で今回はパス。
 まず聞いたのは倉木麻衣のCD。楽しみにしていたブックレット(ですよね?)には見開き2ページに1枚の割合で写真があってGood(彼女、一重瞼なのね)。中でも気に入ったのは「Secret of my heart」のと「Stay by my side」のですね。凄く大人っぽく見えて良い(^^)。歌の中では1〜3曲目(「Secret of my heart」もあり)と8〜10曲目(「Stay by my side」含む)が特に良かったですね。1〜3曲目なんて何度ループ演奏させたことやら(笑)。
 次はT-SQUAREのCD。メンバー一新、というか安藤さんと伊東さんの2人ユニットになってびっくり。曲も全体的にそれを意識してか、ギターとサックスが目立ちました。やっぱりT-SQUAREのサックスは伊東さんが一番合ってると思います。
 どちらもジャンルは違いますが「買って良かった」と思えるCDでした。前に間抜けなプロデューサーの勘違いでバンドの方向性が滅茶苦茶になったCDを聞いたときは怒りが爆発した覚えがあります。
 レジは時間が早い割に割と混んでいて、端の方にある比較的空いているレジへ向かう。丁度一人の清算が済んだところだ。俺と晶子はそのレジに向かい、二つの籠を置く。
 清算が始まり、新しく出された籠の中に商品が詰め込まれていく。俺と晶子が出した籠に対して出された籠は一つ。如何収めるつもりなんだ?俺が怪訝に思いながら見ていると、野菜やら細かい(小さい)商品を隅のほうに寄せて、大きめのスペースを開けておいてそこに蜜柑の袋を詰める。そしてその上にハマチと鰈をでん、と置く。・・・なるほど。これなら一つで収まる。
 精算額はハマチと鰈が効いたのか、結構な金額になった。俺も半分くらい出そうと思ったが、晶子がそれを制止する。

「私が買って料理するものだから良いですよ。」

 晶子が財布から札と小銭を出して、つり銭を受け取ってレジを通り抜ける。俺は荷物いっぱいの籠を持ってその先にある仕分け場(?)に向かう。どかっと籠を置くと、荷物の上に置かれた袋を晶子が取って仕分けを始める。流石に慣れているせいか、段取りが良い。上に鎮座しているハマチと鰈を大きめの袋に入れて、その他の商品は形が崩れにくいものから順順に袋に詰めていく。俺の出る幕は全くないようだ。
 出来た袋は2つ。魚が入った袋をそれ以外のものが入った袋だ。俺が両方持つ。籠を持ったくらいだから袋を持ってもおかしくない。

「重くないですか?」
「まあ、これくらいなら。それよりこれ、どうやって持って帰るんだ?」
「野菜とかが入ってる方は籠に入れてください。魚は私が持っていきますから。」
「危なくないか?」
「しっかり片手で捕まってますから大丈夫ですよ。」

雨上がりの午後 第421回

written by Moonstone

 晶子は飲料関係やヨーグルトなんかが並んでいるコーナーに入って、大きめのヨーグルトを籠に入れてそのまま一直線にレジへ向かう。もう買うものは揃ったようだ。

2001/2/12

[起きろよ、頼むから]
 昨日と同じ。まだ昼間熟睡してないだけましか?でも起きなきゃ意味ないよな(爆)。ということで、3日連続で昼間は寝ているという生活になりました(猛爆)。食事も夕食だけ。それも極力洗い物が増えない雑炊で終わり。やることがどんどん延びていく・・・。
 明日は最後の休みだけに今度こそ起きたいです。日付ではもう今日ですが、本当だったら土曜日にやりたかったこと全部やりたいです。さて、目標の9時に起きれるか?いや、起きなきゃ話が進まないのか(爆)。
 CDを買うのも下手すると2年ぶりくらい・・・。まあ、倉木麻衣のCDは直ぐ発見できるでしょうけど、この手のCD買うのは初めてだから(今まではジャズ・フュージョンのみ)ちょっと手に取るのに緊張しそう(^^;)。出来たらブックレット(で良かったっけ?)に写真がいっぱいあると良いな〜。彼女、かなり美人だし見ても楽しめれば尚良し。(^^)b

「・・・あのさ、晶子。」
「はい?」
「さっきさ、その、何で・・・。」
「奥さん、って呼ばれて嬉しかったです。そう見えるのかなって。」

 晶子は笑顔で俺の方を向く。心の底から嬉しそうだ。本物の夫婦じゃないだろ、と言おうとも思うが、晶子の笑顔を見ているとそう言うのが憚られるような気がする。かく言う俺も晶子の夫と思われて悪い気はしない。買い物で夫婦ごっこか・・・。何だかこれも既成事実の積み重ねになりそうな気もするが、今日はこのままで行くか。
 牛肉類のコーナーは通り過ぎて豚や鶏肉のコーナーに入る。晶子は此処で足を止めていろいろ品物を見て回る。そう言えば晶子の作った食事で牛肉は焼肉くらいしか出てこなかったな。あまり好きじゃないのか?
 少しして晶子は豚肉の薄切りとササミと胸肉を幾つか自分の籠に入れる。結構重たくなった筈だ。俺は晶子の籠からさっき晶子が入れた肉類を自分の籠に移す。

「祐司さん。それは別に重くないですから・・・。」
「結構たわんでたぞ、籠の取っ手が。重たそうなのは俺の方に入れていって良いから。」
「ありがとう。じゃあ、そうしますね。」

 晶子は済まなさそうな顔から一転して嬉しそうに微笑む。俺は何処かの馬鹿なフェミニストみたいに男は女に楽をさせるべきだとは思わないが、特別な相手なら話は別だ。言われなくてもそうしたくなる。楽をさせたいなら男にそう思わせれば良い。それだけの話だ。

雨上がりの午後 第420回

written by Moonstone

 そのまま牛類が並ぶ通りを歩いていくが、晶子は何所か嬉しそうにしている。籠を前にぶら下げて歩き方も何となく弾んでいるように見える。「奥さん」って言われたことがそんなに嬉しいのか?

2001/2/11

[買出しどころじゃなかった(汗)]
 目覚ましは確かに9時にかけました。確かに起きてポットの電源を入れました。でもそこまで。ポットの湯が出来るまで、と思って横になったら目を覚ましたのはそれから6時間後(爆)。我ながら馬鹿らしくなってそれから2時間転寝してました。昼間寝てまた夜寝る・・・。昨日あれだけ寝たのにまだ駄目か(汗)。
 何もしないと完全にサボりなので一応更新はしました。過去に投稿した作品ですけどね。そう言えば投稿もしなくなったなぁ。投稿先が巨大サイトになって自分の作品が出る幕はないと思うのがあるからですけど。
 さて、何だか最近急に人気が上がってきたNovels Group 3ですが、そろそろちょっとした企画を始めようと思います。本編は安藤君の一人称で進んでいますが、話の一部を井上さんの一人称で書いてみようと思います。詳細は秘密ですが、早ければ来週の定期更新から始めたいと思っています。・・・せめて昼間は起きるようにしないと始まらんな(爆)。
少しして晶子が俺を呼ぶ。何かと思って晶子の傍に行くと、店員が話し掛けてくる。

「奥さんの方はハマチと鰈(カレイ)にしようと思ってるそうだけど、ご主人の好みに合わせたいって言うから。」
「あの・・・ご主人って、俺のこと?」
「そうですよ。だって奥さんに呼ばれて来たじゃないですか。」

 ・・・俺はただ晶子に呼ばれたから来ただけなんだが・・・。ま、まあ今は魚のことに頭を移そう。

「俺は・・・魚では特に好き嫌いないから。」
「じゃあハマチと鰈を1匹ずつでよろしいですか?奥さん。」
「ええ。お願いします。」
「はい、じゃあちょっとお待ちくださいね。」

 店員はハマチと鰈から品定めをして1匹ずつ取り出して包装する。鰈は大きめの団扇に見える大きさだ。ハマチも結構なでかさだ。こんなの本当に晶子は捌くというのか?
 晶子は代金を払ってつり銭を受け取る。そして魚はというと、俺の方に回ってきた。・・・多分重いから「ご主人」の俺が持つべきだと思ってるんだろう。

「じゃあ、ご主人に品物をお渡ししときますね。」

 冗談なのか本気なのか知らないが、この店員、俺と晶子を夫婦だと認識してる。ありがとうございました、の声に送られて俺と晶子は魚売り場を後にする。

雨上がりの午後 第419回

written by Moonstone

「あ、えっと、今日お刺身しようと思うんですけど、どの魚がお勧めですか?」

 晶子は「奥さん」と呼ばれたことには少しも動揺せず、店員に幾つか魚を勧められている。・・・ちょっとは動揺しろよ。

2001/2/10

[進めるどころじゃなかった(汗)]
 朝からあまり具合が良くなかったのですが、出発する準備をしてから横になっていたら直ぐ寝てしまって約1時間(爆)。今更という気もしましたが仕事場に休むと連絡して再び床に就きました。
 そしたら目を覚ましたのは15:00過ぎ(汗)。そんなに朝御飯の後に飲んだ薬が効いたのか、と思いつつ身体の倦怠感に耐えられず、きちんと起きたのは18:30を過ぎていました。結局朝食の時間を除いて約15時間寝っぱなしだったことになります(汗)。
 毎日6時間+1〜2時間の睡眠では、その日蓄積した疲労を取るのは無理みたいです。疲れ易くなったのか体力がなくなったのか・・・。以前なら午前3時か4時までネットに繋いでそれから寝て仕事場に行っても何ともなかったんですけどねぇ・・・。
 久しぶりに家でまともな夕食を作って食べましたが、それだけでも身体が少々重く感じます。完全復調は何時の日になるやら・・・。明日の買出しを午前中に済ますことから始めようと思います。

「今日は刺身にしようと思うんですよ。それで・・・。」
「刺身かぁ・・・。此処に来てから食べた覚えがないな。コンビにでも買わないし。」
「何時もは一人分で良いから大抵切り身で済ますんですけど、今日はちょっと張り込もうかな、と思って・・・。」
「張り込むって?」
「自分で魚を捌いて刺身にするんですよ。」

 俺は耳を疑う。この前聞いたラジオ番組で女を対象にしたアンケートがあって魚は触れないって答えが圧倒的に多かったぞ。何でも目玉が怖いだの、ぬめっとした感触が嫌だの、それを捌いて切り身になったものを食べているくせにえらく勝手なことを言うなぁ、と思ったものだ。
 だが、晶子は確かに切り身のコーナーを通り過ぎて魚そのものが並ぶスペースでうんと考え込んでいる。一番でかいのはメジマグロと書いてある。マグロまであるのかよ・・・。鯵も開きになったものよりかなり大きく見える。こんなところに自分が立っているのが不思議でならない。
 それにしても、晶子が魚を捌けるとは・・・。あのマグロや近くに並んでいるハマチをバラバラにしていく様子を想像すると・・・ちょっと怖い。やっぱり母親から教わったんだろうか?飲食店をしている俺の母親からは何一つ教えられなかったな。・・・母さんもそう言えば切り身しか使ってなかったような覚えがある。

「おや、奥さん。どうしました?」

 店の奥にある厨房から−魚を捌く専用の場所だ−人が出てきて声をかける。奥さんって・・・この一角には俺と晶子以外居ないぞ。てことはじゃあ・・・晶子のことか?!

雨上がりの午後 第418回

written by Moonstone

「次はこっちです。」

 晶子に案内された先は魚介類のコーナーだった。切り身が並んでいる他に、少し奥の方では1匹丸ごと並べられている。大きい魚もあって結構な迫力だ。

2001/2/9

[まだまだ試練は続く]
 1台目を完成させてひと安心とはいかず、残り6台(汗)の組み立てに入りました。一度組み立てたのでその中身を見れば大体の配置は分かりますから、後はひたすら努力と忍耐のみ。木曜日で大体1/3は出来たかな?上手く進めば今日2台目完成となるんですけどね。多分そう上手くはいかないでしょう。今までの経験から言って(爆)。
 それにしても昼間以降気が緩むたびに、眠気が襲ってくるのはどうにかならんでしょうか。ちょっと一息のつもりがぶわっと眠気が来るもんで、大抵負けちゃいます(汗)。直ぐ起きますけど。薬を飲んだ後が顕著ですね(元々眠気の副作用がある)。本当に横になってすぐ寝てしまいます。周囲の人は事情を知っているので多少寝過ごしたりしても良いのですが、毎日眠気に晒されるのは辛いです〜(T-T)。
 晶子はバケツ売りの蜜柑を品定めしている。その中の一つを手にとって見るその目は真剣だ。選ぶ目はかなりシビアらしい。・・・男を選ぶ目は真剣なのかどうかちょっと分からんが。
 ようやく晶子はずらりと並ぶバケツの蜜柑の中からひと包みを選び出す。奥の方でちょっと取り辛そうなので、俺は駆け寄って代わりに取り出してやる。

「あ、御免なさい。手をかけさせちゃって・・・。」
「二人で来たんだから、必要なら使ってやってくれれば良いからさ。」

 俺は袋の紐を中身が零れ出ない程度に軽く縛って自分の籠に入れる。早速自分の持ってきた籠が役に立った格好だ。

「次は何所行くんだ?」
「えっと・・・野菜売り場です。」

 晶子が姿勢を直して俺の横に立ってゆっくり歩いていく。一緒に行こうといいたいところだが、勝手を知らない俺は晶子についていくしかない。大体この店自体、やたらと広く感じる。
 晶子は人参やらピーマン、シイタケ、葱といったものを品定めして自分の籠に入れていく。俺はその横で見て回るくらいしかできない。俺から見てそれらはせいぜい炒め物に使うくらいしか想像が出来ない。それが晶子の手にかかると色々な料理に化けるから不思議なもんだ。

雨上がりの午後 第417回

written by Moonstone

 俺と晶子は並んで籠を持って売り場に踏み出す。最初に目に入るのはバケツ売りか棚に並べた果物だ。今時期は蜜柑と林檎が多く目に入る。どういうわけか西瓜なんて季節外れのものもあったりするが。

2001/2/8

ご来場者86000人突破です!(歓喜)

 ・・・85000人突破とお話したのは86000人まであと500人切っていましたが、ここ数日妙に回転が早いような・・・。気のせい?

[事態収束・・・だと思う]
 トラブルだらけだった月曜日ですが、火曜日にまず自分の机の下で鍵を発見(鞄が倒れたときに落したらしい)。原因不明のトラブルは、それより前に施した改良で短絡状態になっていたのを発見(まさか問題の場所から少し離れたところにあるとは・・・)。ようやく昨日の問題が解決したところで1台目無事完成。でもまだ同じものを6つ作らなきゃならないんだよな(爆)。
 とりあえず組み立ての準備を整えておいて一休み・・・のつもりが熟睡(汗)。帰宅がかなり遅れました。まあ、寝た分家でダウンすることなく久しぶりに割と早い時間帯に更新できるわけですが。
 今は目の前の問題が片付いたのでちょっと気分的に楽です。奥にはまだ多くの問題が控えていますが、ひとまずなかったことにしておきます(笑)。
「まあ、何とかな。」

 途中見かけた駐車場とは対照的に割と閑散としている自転車置き場の一角に自転車を止めて、晶子、俺の順で自転車を降りる。自転車置き場の横に丁度出入り口がある。こういうまともなスーパーに出入りした記憶がない俺はちょっと躊躇ってしまうが、晶子は俺の手を取って軽く引っ張る。

「さ、行きましょうよ。」
「分かった、分かった。」

 俺は晶子に引っ張られるように店へ向かう。時計を見ると、どうやら開店してそれ程時間は経っていないらしい。その割には店内をうろつく人の数は多い。開店時間を狙ってくる客は結構多いのか?その辺の理屈は俺には分からない。
 店の中はやはり横に広くて縦には低いようだ。入り口にあった案内を見ると商品の売り場は1階に集中していて、2階は駐車場、地下は酒類の販売所と駐車場になっている。前に晶子に連れられていったCDショップもこんな感じだったな。そりゃ車社会といわれる昨今だが、駐車場を無闇に増やすと車社会を助長するだけのような気がするんだが。
 晶子は1つ籠を取る。冷蔵庫の中身が結構少なくなっているとか言ってたのに1つで間に合うんだろうか?俺は念のためもう一つ籠を手にとる。晶子は売り場に向かおうとしたところで俺が籠を取ったのを見て首を傾げる。

「何でもう一つ籠持つんですか?」
「だって結構冷蔵庫の中身が減ってるって言ってたじゃないか。1つじゃ足りないかな、と思ってさ。」
「確かにそうかも・・・。じゃあ、お願いできます?」
「ああ。」
「それじゃ行きましょ。」

雨上がりの午後 第416回

written by Moonstone

「ある程度出歩かないと、近くのコンビニと書店くらいしか知らない俺みたいになるのは当たり前か。」
「これで一つ覚えられたでしょ?」

2001/2/7

[いい加減にしてくれ〜]
 前に完成したはずの機械が突然スイッチONと同時にヒューズを吹っ飛ばすようになって、その原因を探るべくケーブルを外したり、部品を入れ替えたり、必要最小限の配線にしたりしたんですが、呆気なくアウト。やる気が失せたところで帰りました。
 帰りは行きに雨が降っていたので歩きだし、余計に時間がかかると思いつつ、何所に問題があるのかあれこれ考えて帰宅・・・の途中、鞄を落してしまって、中のものはそのままだった筈が家の鍵が何所にもない!(大汗)。落した辺りを探したのですがどうしても見つからず、諦めて予備の鍵を使って家に入りました。
 家に居ればやる気がなくて寝てばかり、外に出れば災難だらけ。たまには良いことあって欲しいです。神や仏とやらは何所までも意地の悪い心が捻じ曲がった輩ですね、本当に・・・。

「道案内頼むぞ。行ったことないから。」
「それなら任せてください。じゃあまず右に進んで最初の交差点をそのまま真っ直ぐ行ってください。」

 晶子の道案内に従ってペダルを漕ぎ出す。俺が目にしたことがない景色に足を踏み入れる。この先に何があるんだろう?と考えるとちょっとわくわくしたりする。そもそも此処に済むようになって食料品をコンビニ以外で買うのは初めてだし、道路の先には何があるのか気になる。・・・子どもみたいだな。
 途中緩やかに続く長い上り坂があって、自動車1台が通れる程度の小道を抜けて、車が行き交う大通りに出てそれに沿って暫く進むと、大きな、それ程高くない建物が見えてきた。

「正面に見えるあの建物がそうですよ。」

 此処まで道案内してくれた晶子が言う。此処まで来れば幾ら初めてでも簡単に行ける。途中交差点と車の入り口と出口があったがその辺は珍しいことじゃないから慌てずに対処して、丁度自転車置き場の前に辿り着いた。

「他にも色々行き方はあるんですけど、この自転車置き場の前に来るのは案内したこの道なんですよ。」
「ふーん。結構出歩いてるんだな。」
「いえ、途中で道に迷って偶然辿り着いたり、この道行ってみよう、って思って走ったら此処に出た、とかそういうのの積み重ねですよ。」

雨上がりの午後 第415回

written by Moonstone

 兎に角その開店時間に間に合わせるべく、俺が自転車のサドルに跨り、晶子がその後ろの荷台に座る。ペダルを漕ぎ出してみるが、慣れてないせいかやっぱりちょっとフラフラする。それでもマンションに面した道路に出る頃にはどうにか安定感を保てるようになった。

2001/2/6

[薬飲んで寝不足はキツい・・・]
 日曜日の夜、何時もどおり薬(睡眠薬)を飲んだのは良かったものの、昼間寝すぎたせいか寝られそうで眠れず、殆ど寝たかどうか分からない状態で五月蝿い目覚ましに叩き起こされました。起きれたのは良しとしてもその後が最悪。残っていた眠気が物凄くて、うっかりしていると直ぐダウンする有様で、昼休みには熟睡してました(笑)。
 どうにか仕事を終えて帰宅して食事を済ませるとやっぱり眠気が凄くて、家に居るという安心感(?)もあって日付を超えるまで眠りの世界に突入(汗)。1日10時間は寝ないと体がもたないようになってきたみたいです。
 かくいう今も既に睡眠薬を飲んで約1時間経過。そろそろ足腰が言うことを聞かなくなることです。でもまだ洗い物済ませてないから(笑)、それを済ませておかないと翌日洗っては使い、また洗うという二度手間を要求されますしね。やっぱりメイドさんが欲しい(爆)。
 揃って玄関を出て晶子が自転車置き場へ向かう。俺の自転車には籠がついてないから−籠が必要なほど買出しに行ったりしない−今回は晶子の自転車で買い物へ向かう。無論運転するのは俺だが、晶子の自転車で二人乗りできるか?やったことないからちと不安がある。
 晶子が自転車を押して戻って来た。晶子のは今主流(?)の所謂ママチャリというやつだ。前面に大きめの籠があって、後ろには荷台がある。ハンドルは俺のより幅広でちょっと乗りにくそうな印象がある。

「じゃあ、行きましょうよ。」

 今日は冷え込みが厳しいせいか、白い息が煙のように舞う。暖房に慣れきった俺の身体にはコートとセーターを着ていても寒さが染み込んでくる。晶子は対照的に元気だ。寒いのには慣れてるのか?

「寒いのは平気なのか?」
「買出しは毎週のことですし、普段バイトから帰ってくるときも結構寒いですから。それよりちょっと寒いかな、って程度ですよ。」
「単に俺が寒がりなだけか・・・。」
「さ、行きましょうよ。開店の時間が近いですし。」
「開店時間に行くと良いことあるのか?」
「特にないですけど、習慣みたいなものです。」

 習慣で開店時間を目指すのか・・・。俺の食生活は24時間年中無休のコンビニ任せだから、そんなこと思いもよらない。

雨上がりの午後 第414回

written by Moonstone

 朝食と晶子の着替えが済んで−流石にこのときばかりは締め出された−俺と晶子は買い物に出掛けるべく玄関へ向かう。俺の服装は当然昨日と変わらないが、晶子はスカートじゃなく黒のズボンだ。バイトのときはどちらかというとズボンの方が多いが、プライベートで見ると新鮮に映る。

2001/2/5

[半日は眠る]
 倉木麻衣のアルバム買いに行こうかな、と起きる気構えはあったんですが、目覚ましを消したのか気付かなかったのか、目が覚めたのは15:00頃でした(汗)。以前は目覚ましかけなくても午前中には目を覚ましてたんですけどね〜。ということでアルバム購入は次週以降に延期。大して何もする気が起こらないまま、寝たり起きたりを繰り返していました。
 休日に外に出ないともうお話することがないですね。平日は家と仕事場の往復で終わってしまうし。仕事のときはどうにか安定していますが、それを離れるとどかっと疲れが出てやる気が消え失せてしまうのがどうにかなれば・・・。薬も色々変えてもらったんですが、どうもこれ、といった特効薬がないみたいです。この手の病気は治すのに時間がかかるといいますが、この様子だと年単位は確実でしょうね。せめて創作意欲さえ湧いてくれれば・・・。
「一人のときは自分のためって意識がどうしても強くなって面倒に思いがちなんですけど、二人分になると、相手の人に美味しいものを食べてもらいたいって思いますからね。その違いは大きいですよ。」
「そんなものか・・・。」
「ええ。だから一緒に食事してくれる祐司さんには、私が感謝したいくらいですよ。」
「感謝なんて・・・俺がしたいくらいだよ。何なら一緒に行こうか?買い物。」
「良いんですか?」
「この女性専用のマンションで男一人留守番ってのも何だし、荷物持ちくらいには使えるぞ?」

 晶子は少し考えて笑みを浮かべる。

「じゃあ、一緒に行って貰えます?」
「ああ。」
「それじゃ、早く朝御飯の支度しなきゃ。出来たら呼びますから少しの間待っててくださいね。」

 余程嬉しいのか、晶子はばっと跳ね起きてベッドの下にあった半纏を羽織り、暖房のスイッチを入れてリビングを出て行く。一緒に買い物に行くのは・・・確か初めてだよな。買い物で出くわしたことはあるけど・・・。
 元を辿れば、その買い物で出くわしたということが、晶子との出会いだったんだよな。あの頃は同じバイトをしたり、ましてやマンションに出向いて一緒に食事したりさらには寝泊りするようになるなんて・・・思いもしなかった。不思議な縁というか・・・。否、縁なんてこんなものなのかもしれない。ただ、それがさらに発展するか、袖の触れ合いで終わるのかのどちらかだけなのかもしれない。

雨上がりの午後 第413回

written by Moonstone

「俺が何だかんだで此処で夕食やら朝食やら食べてってるからな・・・。」
「祐司さんは気にしなくて良いですよ。それは私が望んでることでもあるから。」
「・・・望んでること?」

2000/2/4

ご来場者85000人突破です!(歓喜)

 ・・・今週の更新が少ないだけにちょっと申し訳ない気もしますが、来ていただいたことが嬉しいには違いありません。そう言えばこのコーナーも10000人が現実味を帯びてきましたね。

[今週はこれだけです、はい(汗)]
 定期更新は設立当初から行ってきましたが、恐らく今日が最小の更新だと思います。土曜日だって一度15:00に電話のコール音で目を覚ましましたがすぐに寝て、ようやく起きたのは17:00くらい。どうにか買出しを済ませてまたぐったりと横になって、PCの前に向かい始めたのが23:00くらい。今の状態では新規に作品を制作したり、途中の作品を仕上げたりするのはとても無理なので、事前にある程度用意してあるNovels Group 3の「雨上がりの午後」とこのコーナーの更新だけとなりました。このコーナーだけでも2、3時間はかかってるな。いえ、本当に。
 次の定期更新では反動でどかっと更新・・・とはならないかな?何せ体力と気力がとことん落ちてますから。この更新が終わったらまた寝るつもりです。巡回も少ししますけど4つか5つが限界ですね。
 出来るだけその感触がする方に意識を向けないようにしようとするが、左肩−否、左半身というべきか−を完璧に押さえ込まれているから、せいぜい天井と右側の壁と左側の部屋の一部くらいしか見えない。はて、これから如何したものか・・・。晶子が起きるまで寝たふりでもしてるか?それともこの際、晶子を抱きしめてしまうか?  後者の考えが浮かぶと同時に急速に欲望の吐息で膨らんでくる。右腕は完全に自由だし、左腕もそれなりに動かせる。抱き締めるのは意外に容易い状態だ。・・・そう考えているうちにも俺の両腕が晶子の身体を抱き締めようと注意深く動く。寝ている今がチャンスだ・・・。

「あ、そうだ。買い物に行かなくちゃ。」

 突然晶子が顔を上げて上半身を起こす。かなりの距離まで晶子に接近していた両腕を慌てて元の位置に戻す。両手を俺の脇の横につけて起きた晶子の胸元・・・否、この位置だと胸そのものがちらちらと見える。頼むからこれ以上俺に「刺激物」をちらつかせるのは止めてくれ。
どうにか「刺激物」をやり過ごして、俺は尋ねる。

「買い物?」
「ええ、野菜とか肉とかかなり減ってるんで、そろそろ行かないとまずいかなって・・・。」
「俺がちょくちょく来るようになったからか?」
「それはあると思いますよ。1人分より2人分の方が材料をいっぱい使って当たり前ですから。」

 毎週月曜日は此処で練習を終えてから夕食を食べるのが「何時ものこと」になってしまってるし、それ以外でも最近此処で夕食を食べてそのまま御一泊となる場合が結構多い。もう一人分余分に材料を消費している俺は悪いことをしてるなと思う。

雨上がりの午後 第412回

written by Moonstone

 そしてさらに身体を俺に寄せてくる。それまで考え事をしていた意識が一瞬にしてその女独特の感触を感じる場所に集中する。どうやら俺は寝させてもらえないらしい。こんな状況で二度寝出来るほど、俺はまだ人間が出来てないんだが・・・。

2000/2/3

[やっぱり駄目かな・・・]
 金曜日は帰るなり床に就きました。もう眠くて・・・。目を覚ましたのは日付が今日に変わってからですが、起きる気がしなくてベッドでぼんやりとまどろんでました。どうも以前のように−以前といっても何時頃だったかもう忘れてたり−胸の痛みや酷い気分の落ち込みにも何とか耐えて一定の時間帯に更新できたんですが、今はそれすらままならなくなってます。兎に角以前よりさらに気力が落ちています。
 その原因の一つは掲示板とメールでしょう。先先週の定期更新以来今日に至るまで届いた感想メールは3通。それも更新から2、3日で寄せられたものばかりなので1週間以上感想メールはなし(他はウイルスメールやプロバイダからの連絡にDM)。掲示板は現時点で2週間くらい新規書き込みなし(自分の緊急連絡以外で)。お返事ばかりで何も作品に手をつけられないほど寄せてもらうのもちょっと困りますが、全く反応がないよりはずっとましです。
 カウンタはそこそこ回ってるのにどうしてこんなに反応がないのか、考えても分からないだけに余計気分が落ち込みます。これなら開店休業にしても大して変わりなさそうな気がします。いっそ止めるか・・・?
 高校時代、優子とはそれこそ数え切れないくらいキスをした。本当の意味でのファーストキスは何度目かのデートで公園の大樹の陰に隠れてした。それ以来、デートでは勿論、学校でも人目を避けてするようになった。愛情の確認もあるが、人目を避けるというスリルと緊張感を味わうためでもあったと思う。
 あの時は付き合いだして直ぐに噂が広まり−何せ優子が告白するとき女友達を何人か伴っていたから−、ことある毎にキスをしたかどうかからかい半分で聞かれたものだ。ある程度時間が過ぎると、キスは済ませたことが前提になるようになった。確かにその頃にはもうキスは何度かしてたが、まさかそんなことは言えない。尾鰭が体中を覆った噂が飛び交うのは必至だ。
 今は・・・俺と晶子が付き合っているということは智一しか知らない。まあ、智一のことだから面白半分に同じ学科の奴らや知り合いが居るという文学部にまで噂を広めると思う。付き合ってるのかどうかを聞かれたら如何するか・・・。俺の心はもう決まっている。事実を淡々と告げるだけだ。
 左肩の辺りでもぞもぞと動く感触が伝わってくる。晶子が寝返りをうとうとしているのかと思ったら、晶子がゆっくりと目を開ける。そして俺の顔を見る。まだ少し寝ぼけているような様子だ。

「・・・おはようございます。起こしちゃいましたか?」
「いや、少し前に珍しく勝手に目が覚めたよ。」
「昨日目覚ましかけるの忘れちゃって・・・御免なさい。今から朝御飯作りますから。」
「謝らなくて良いって。今日は大学もバイトも休みなんだし、慌てることないだろ。」
「・・・そうですね。じゃあ、もうちょっと。」

 晶子は肘をついて起き上がろうとしていたのを肘を崩して再び俺の左肩辺りを枕にする。今度はより俺の顔に近い位置に頭がある。シャンプーの甘酸っぱい香りが俺を誘うように鼻いっぱいに広がる。

雨上がりの午後 第411回

written by Moonstone

 俺は指先で自分の唇に触れる。1回目、晶子が目を閉じてと言ってしたプレゼントを兼ねたキスもそうだが、2回目の互いを求め合うような−何か含みのある言い回しに聞こえるな−の方がより鮮明な感触を思い起こさせる。

2000/2/2

[更新に穴あけちゃった・・・]
 2/1付の更新は結局出来ませんでした。2/1の深夜は眠る−半覚醒−また寝る−・・・の繰り返しで更新できず、夜帰って来ても家事と3日ぶりのまともな食事で眠気が襲ってきて、日付を超えるまで寝ていました。
 やっぱり相当体力が落ちているようで、家事をこなしてさらにページの更新を続けるのはもうぎりぎり、否、限界を超えているような状態です。以前なら出来たことなのに・・・。本当にページの運営を一時停止するかどうか、真剣に考えないといけない段階に差し掛かっているかな・・・。
 明日は多分更新しますが、定期更新でどれだけ更新できるか非常に不安です。この定期更新のあり方も考え直す必要があるかもしれません。
 まあ、今日は俺も大学は休みだし、店のバイトも休みの日だ。ただこの温もりに浸り続けるっていうのも悪くない。12月に入ってから走り続けたような日々だったし、此処らで一休み、というところか。
 ・・・しかし、こうやって晶子の家で時間を過ごして、朝を迎えるのが自分の中で本当に全く違和感を感じなくなってる。しょっちゅう出入りしてるのもあるだろうが、何より自分以外の誰かが居る、というのが大きいと思う。

 こっちに来て一人暮らしをするようになってから、電話も滅多に鳴らない−鳴るとすれば実家からか優子からか訳の分からん勧誘だ−、尋ねてくる奴も居ない、そんな孤独感に満足していた。誰にも干渉されないことに。
 だが、一方で満足している筈の孤独感に寂しさを感じなかったわけじゃない。進学先は違っても二人の絆は永遠だよね、とか言っていた−その絆とやらはあっさりと切れちまったが−優子との電話は欠かさなかった。そして半月か一月に一度俺に会いに来るのが楽しみだった。孤独を楽しむ一方で誰かと絆を保って居たい・・・。そんな矛盾する感情があったように思う。
 切れた絆はもうどうしようもない。俺にだってプライドがあるし、優子によりを戻したいなんていうつもりはさらさらない。その代わり、新しい絆を一つ手に入れた。最初は少し強引に決められた演奏のペア兼歌の指導に始まり、何度か出入りするうちに紅茶を飲んだり食事をご馳走になったりするようになって、自分の家と同じようにくつろいだり、御一泊するようになった。

そして・・・初めてのキスをした・・・。

雨上がりの午後 第410回

written by Moonstone

 俺の隣には晶子がやや俺に乗りかかるように寝息を立てている。脇の辺りにはっきりとした輪郭を備えた柔らかさがどうしても気になってしまう。俺が少し身体を動かしても起きる気配がない。やっぱり昨日一昨日で相当疲れたんだろうな・・・。

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