雨上がりの午後

Do you love me?-Masako Side Vol.1-

written by Moonstone


※註:第1部までを先にお読みくださると、よりお楽しみいただけます。※
まさか、こんなにもあの人とそっくりな人に出逢えるとは思わなかった。
確かに最初は安藤さんにあの人の面影を重ねていた。
棘のある言葉と疑念の視線に、戸惑うこともあった。
だけど、少しずつ触れ合ううちに、分かったことがある。
安藤さんが、私と同じ悲しみを背負っていること。

心が悲鳴を上げているのが分かる。女性に心を閉ざしているのが分かる。
泣く余裕や機会さえ満足に与えられない男性は、辛いと思う。
悲しみと愛情が裏返った憎しみに押し潰された心が悲鳴を上げている。
その心を救うのは、新しい愛を見つけることだと思う。
私は・・・その相手役になりたい。

Do you love me?
最初は安藤さんの面影の向こうに見えるあの人に問いかけていた。
だけど、今は違う。この言葉は安藤さん本人に向けている。
頑なに閉ざされていた安藤さんの心の扉が、ほんの少し開こうとしている。
心の傷を癒す力に、私はなりたい。

Do you love me?
押し付けがましいと思われてるとは分かってる。
いきなり詰め寄られて当惑しているとは分かってる。
だけど、行き場をなくした安藤さんの心の道標になりたい。
あの人の分身じゃない、安藤祐司という一人の男性のために。

Do you love me?
今日も私は心の中で問いかけ、態度で示してみる。
少しずつだけど、安藤さんの凍てついた心が解けつつある。
冷たい海に浸かって冷え切った安藤さんの心を抱き締めたい。
そして・・・、少しでも温めたい。

永遠に続くと思っていた絆が途切れたやり切れなさは、私も分かる。
それを乗り越えた先に新たな路があることを、安藤さんに分かって欲しい。

Do you love me?
だから私は、今日も心の中で問いかけて、態度で示す。
Do you love me?
安藤さんの心の扉を開くキーワードを、ただひたすらに、唱え続ける。

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