2021年1月22日更新 Updated on January 22th,2021
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2021/1/22
[一歩前進]
 以前此処でお話しした、カレンダー時計ICと言えるリアルタイムクロックICの基本的な制御が出来ました。結局、ICからデータを取り出して計算する際の計算式が僅かに間違っていただけでした。1つでも間違っていれば時に酷いバグになりますし、実害が出ない段階で解決できて良かったです。
 試行錯誤の結果、基板が乱雑になっているのと、ボタン電池のバックアップ確認がまだなので、基板の最適化とボタン電池搭載での長時間運転や電源遮断などを試験しつつ、システムに組み込んで制御の拡張へと進めます。時間や曜日で動作状況を変えられれば、出来ることの幅が広がります。
 インターホンを鳴らしたのは1人の男。白装束に藁を編んだ笠と合羽、白木の杖という、お遍路さんのような恰好の男は、雪で移動が難しくなったから一晩泊めてほしいと言った。社務所兼自宅には客間があるが、一応年頃の娘がいるところにどこの馬の骨とも分からない男を入れる気にはならなかった。
 しかし、この雪深く寒い夜を徹して移動するのはまず不可能。時間からして、この町の宿は閉まっている。行き倒れでもされたら夢見が悪い。止む無く拝殿に泊めることにした。男は甚く感謝して拝殿に泊まった。拝殿は吹き曝しではないが、夜は暖房を切っているから相当寒い。布団と毛布を運んだ宮司一家は社務所兼自宅に戻った。
 夜が更け、静寂が支配する中、ふと外から光が差し込んできた。時刻は3時過ぎ。夜明けにはまだ遠い時間に何だと思って宮司が外を見ると、拝殿全体が仄かな光を放っていた。男が何か良からぬことをしているのではないかと感じた宮司は、急いで拝殿に向かった。
 拝殿に駆け込むと、光を発していたのは拝殿ではなく、その奥にある本殿だった。本殿にあるご神体は光を発するようなものではない。拝殿に入って何をしているのかと本殿に向かって座っている男を問い詰めると、神が降臨されたと答えた。ご神体に何をした、すぐ止めろと言ったが、降臨された神を追い払うとは不敬極まりないと応じなかった。
謎町紀行 第1513回
written by Moonstone
 雪が静かに降る、やけに寒い夜だったことは憶えている。特に何もするでもなく、社務所兼自宅のこの家で過ごしていると、インターホンが鳴った。雪が降る夜、参道の灯篭は既に消灯しているから真っ暗。誰がどうやって、何のために来たのかと訝しく思いながら、宮司が応対した。
2021/1/21
[円や四角を描く]
 私はBASICからプログラミングに入りました。コマンドを入力すると文字や円、四角が描けたり、「,」と「.」を間違えて延々とエラーで悩まされたりしたものです。時は流れ、プログラミングが本業の一部になった今、コマンド入力で文字表示や描画が出来る簡単さと、それを実現する難しさを痛感しています。
 文字単位の表示に留まるキャラクタディスプレイから、ドット単位で表示するグラフィックディスプレイに、表示デバイスをほぼシフトしています。これに文字を表示するだけでも、フォントデータを用意して、座標からRAMのアドレスを計算して、順にドットを並べるという手間。描画となるともう…。
 僕の説明は死刑宣告に近いものがあったようだ。宮司夫妻はがっくり項垂れる。どうやらリーダー格は円満とは言い難い理由や経緯でこの町を出て、カノキタ市に流れ着いたようだ。いったい何があったのか、それがヒヒイロカネに通じる手掛かりになるかもしれない。だけど、尋問してまで聞き出すつもりもない。

「娘は…狂ってしまったんです。」
「狂った?」
「あの日…、神の啓示を受けたとか言って…。」

 宮司が無理やり言葉を引き出すように話す。10年ほど前、件の母親−ここではAとする−は当時短大を卒業したものの就職にあぶれて、この神社の神職見習いという体で手伝いをしていた。神職になるには神道系の大学を出るのが王道で、神職養成所に入所するとかは神社庁−名前から誤認されやすいが公的機関じゃなくて民間団体−の推薦が必要だったりするから、再度大学に入ってまで神職になるつもりもなかったAは、特に目標もなく日々を過ごしていた。
謎町紀行 第1512回
written by Moonstone
「カノキタ市?!あの市民団体が市役所に食い込んで好き放題しているという町に?!」
「残念ながら、娘さんはその市民団体の筆頭格です。」

2021/1/20
[電波強度]
 自宅は無線LANを整備していますが、ごく一部、電波状況が良くない場所があります。職場で無線LANの電波強度を調べてもらう機会があって、携帯端末も圏外になるほど電波状況が悪い場所は、やはり無線LANの電波強度が非常に弱く、有線でないと支障が出る箇所も見えてきました。
 以前にもお話ししているように、自宅は外からの電波が非常に入りづらい不可思議な面があります。この先自宅にはLEDガイドや監視システムを開発し、本業では大規模システムの拡張を進めますが、電波状況が悪いなら改善するとか有線で引っ張るとか色々考える必要があります。課題がこうして増えていく…。
 屋内は純和風で、通された応接間も畳の部屋。部屋には大型のファンヒーターがあって、随分暖かい。奥さんという女性が茶を淹れてくれる。この女性も、完璧な金髪の若い女性が相当珍しいようで、興味深げに尋ねる。シャルが都度答えることで、宮司側の警戒感は完全に解かれたようだ。

「さて…、この最果てのひなびた神社に、わざわざお越しになった理由とは?」
「こちらの人物をご覧ください。」

 シャルはバッグから写真を取り出してテーブルに出す。写真の人物−カノキタ市を実効支配する母親グループのリーダー格の女性が写るその写真を見た宮司夫妻の顔が強張る。

「訳あって、この人物を調べています。お心当たりはありますか?」
「…娘、です。」

 表情を強張らせた宮司が、絞り出すような声で言う。あの母親グループのリーダー格と、I県の最果ての神社が、1本の線で結ばれた。

「今、何処に?」
「I県のカノキタ市に居ます。」

謎町紀行 第1511回
written by Moonstone
 シャルが前面に出たことで、宮司の態度が一気に軟化した。ちょっと複雑ではあるけど、情報を得ることを優先する。社務所の中は思いの外暖かい。ホテルや他の店もそうだったけど、こうした寒冷地は家の作りが他とかなり違うようだ。そうじゃないと、水抜きをしないと水道管が使い物にならなくなったり、雪で押し潰されない環境で生きていけないか。
2021/1/19
[動画配信]
 巷でYouTuberやVtuberが席巻しています。毛色は全く違いますがMovie Group 1で動画公開をしている身としては、数百万回視聴とか想像もできない領域で、企画や編集もさることながらプレッシャーも大変だろうと思います。このページの動画は編集なし(エンコードはしている)、1分程度という縛りだけですが、何処でどの角度から撮影するか結構考えます。
 映像の難しいところは、(1)容量が大きい(2)処理が重い(3)突き詰めると編集作業が膨大−の3点かと思います。本業で映像編集を少し手掛けたことがありますが、せいぜい10分くらいの動画で丸1日かかって、大変だった記憶があります。他人が映らないように1分間撮影するだけならまだ気楽です。
 意外にも玄関には鍵がかかってなかった。わざわざこの雪の中、しかも足跡が残る状況下で泥棒や強盗に入る暇人はいないか。コートに付いた雪を払ってから玄関を開けて中に入る。半纏を羽織った初老の男性だ。宮司であろうこの男性は、僕とシャルを見て驚いた顔をする。

「驚いた…。外人さんですか?」
「はい。」
「夏ならまだしも、この雪の時期に外人さん、しかも若い女性が来るとは思いませんでした。」

 やっぱり先から根本まで完璧な金髪=外人という公式めいたものがあるな。それに、当然ではあるけどやや訝しげだった男性の警戒感が一気に解かれる。シャルは此処まで見越して今の容貌を選んだんだろうか?僕は完全におまけだけど、別にどうってことはない。シャルが前面に出て情報が得られるなら、その方が良い。

「お話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞどうぞ、上がってください。」

謎町紀行 第1510回
written by Moonstone

「どちら様ですか?」
「さっきお電話した富原です。お話を伺いたいのですが。」
「ああ、さっきの電話の。鍵は開いてますのでお入りください。」
「失礼します。」

2021/1/18
[写真や動画の管理]
 Webで写真や動画のリンクURLを見ると、意味不明な文字列になっていることが多いです。規則性が分かるとURLを推測して入力することで表示される→企業や営利(商業イラストレータとか)だと特許や著作権で問題がある、という理由だと思います。企業や営利では特許や著作権は非常に重要な課題ですし、当然の対策でしょう。
 転じてこのページでは、作品集ごとにフォルダを分けて、規則的なナンバリングをするという、上記と逆を行っています。こうしないと、何処にどの種類の写真や動画がどれだけあるか、個人では管理しきれません(改修前が大変だった)。文字列での管理をどうしているか、企業Web関係者に伺いたいところです。
 参道は緩やかな階段になっている。此処も除雪されているけど、その後に降った雪が積もっている。足元に注意して慎重に上る。参道でもある階段の両側にある灯篭に明かりが灯っている。よく見るとLEDのようだ。空が鉛色の雪雲一色だから昼間なのにかなり暗い。灯篭の明かりが結構ありがたい。
 普段の倍くらい時間をかけて階段を上りきると、こじんまりした境内が広がる。正面に拝殿、向かって右側に社務所。左手の近くに手洗い場がある。此処にも人が訪れた痕跡がない。社務所の玄関にある灯りと、拝殿に見える蝋燭らしい小さな光が、辛うじて人が居ることを伝えている。
 いきなり社務所に向かうのも何かと思って、参拝してからにする。誰も居ない境内でシャルと2人で参拝。拝殿の奥は照明と蝋燭が灯っていて明るく、厳粛な中にも暖かさを感じる。照明が白じゃなくて白熱電球の薄いオレンジのせいだろうか。

『この神社にはヒヒイロカネのスペクトルはありません。』
『社務所にいるらしい宮司がどれくらい情報を持っているか、だね。』

 参拝を終えて社務所へ向かう。本来ならお守りとかを売る場所は、窓もカーテンも閉められている。引き戸の玄関は奥に灯りらしいものが見えるけど、居留守を使われないか心配だ。インターホンがあるから、それを押す。残響のように3回鳴ったのが聞こえる。奥から人の気配が近づいてくる。
謎町紀行 第1509回
written by Moonstone
 人が通った痕跡がない道路を歩いて、ニウヤマ神社への参道へ向かう。道路はひととおり除雪されている。ところどころ道路から水が撒かれている。人間だと冷たいと感じる水でも、雪=氷から見れば温度が高いということか。道路が水浸しになると気温が下がった夜とかに凍るんじゃないかと思うのは素人考えか。
2021/1/17
[ネット関係の更新時期]
 自宅のインフラといっても過言ではないプロバイダやドメインの更新が近づいています。勿論継続するので更新しますが、偶に振込時期を忘れて、更新がギリギリになってしまうことがあります。この時期はネット関係以外も更新や手続きがあるので、自動振り替えのものは口座の残高に要注意です。
 現在の自宅購入の際に新規の金融機関に金の動きをシフトしたのですが、一部そこから残されたものがあります。ネット関係の約1/3がそれに該当するのですが、普段使わないので残高の把握がおろそかになりがち。クレジットカードが絡むものは特に洒落にならないので、管理は慎重に…。
 僕とシャル以外誰も訪れていないような、静かさを通り越して沈黙しているように見える町。此処は春から秋にかけては絶好のツーリングコースの一部で、シャル本体を止めた駐車場から歩いて行く展望台が人気スポットだそうだ。だけど、今は雪以外何もない。駐車場が除雪されているのが不思議に思えるくらいだ。市営だからか?

「ニウヤマ神社に人はいるのかな?」
「さっき連絡を入れたら、社務所に居るそうです。」
「手際が良いね。確かニウヤマ神社は…。」

 目的地のニウヤマ神社は、市営駐車場から歩いて行くしかない。車で参拝の際は市営駐車場に止めるよう、近くの看板に書かれていた。シャル本体以外何も止まっていない駐車場に、シャル本体を置いていくのはちょっと気がかりだ。今も降り続ける雪に埋もれてしまうんじゃないかとか思う。

「すぐさま蒸散させられますから、氷やコンクリートで固められても大丈夫です。」
「本当に凄いね。エネルギー消費は大丈夫?」
「途中で念のため水素スタンドに寄ってもらいましたし、雪を蒸散させながら走行しても、I県全体を余裕で回れますよ。さ、行きましょう。」

謎町紀行 第1508回
written by Moonstone
 ヒジリ市からシャル本体では知ること2時間近く。海以外をすべて雪が覆っていると言って良い風景の中にある小さい集落。此処はI県の北端、スズリ市のハクエン町。かつてはハクエン町として単独で存在したこの町は、市町村合併でスズリ市の一部になったという。
2021/1/16
[お休み前に1つ完了]
 どうしても今日中に納品をと頼まれた案件を、やや強引に(大幅な時間超過)完成させて納品。流石にくたびれました。これでこの土日安心して引き籠れます。原稿書いたりスライド作ったりはありますが、週明けに向けて考えることが1つ減るのは大きいです。

「此処から先だと半島の先まで行く?」
「はい。それと、その近くにあるニウヤマ神社というところへ。」
『その神社の宮司の家系が、カノキタ市を牛耳る母親グループの代表の出身だと判明しました。』
『!!』

 予想外の接点だ。I県の果てと言えるノロシ半島の端にある、地元の人しか知らないような神社と、カノキタ市を実効支配するあの母親グループに接点があるなんて。もしかするとそこにヒヒイロカネか、関連する情報があるかもしれない。雪を押し退けてでも行く理由が出来た。
 懸念材料は雪だ。今も静かに、だけど大粒の雪が降り続いている。シャルがスマートフォンと道路情報のディスプレイで示した目的地は、国道が通じていない。今のところ通行は問題ないようだけど、雪で通行止めになることもあり得る。流石に通行止めになったら強行突破は出来ない。雪が収まってくれれば良いけど…。
謎町紀行 第1507回
written by Moonstone
 シャルは不意に車が突っ込んできても、ミサイルで迎撃するという最終手段がある。それでも破片が飛散してきたり、残存した車体が突っ込んで来る危険はある。当然ながら乗員は無事では済まない。そんな事態にならないことを願うしかないけど、実は此処へ来るまでにも事故している車が何台もあった。
2021/1/15
[試作評価は地道]
 本業で手掛けている大規模システムの大型改修を計画していて、その試作評価で使う専用基板を、ユニバーサル基板に部品を取り付けて配線する、ごく地味な方法で製作。本番で使用する基板は小規模ながら量産するため外注していますが、それが納品されてからだと時間がかかるので、試作評価を先行させたいためです。
 最近、回路を設計→基板にする→外注というパターンが増えています。部品は小さいし、量産の必要性が高まっているのでそれに対応するためですが、小さい回路をちょっと試してみたいという時には、自分で手を動かすのが最速なことがまだまだあります。手は出来る限り動かすようにしたいものです。

「国道は問題ないけど、通行注意だね。」
「はい。自分達がどれだけ注意していても、注意していない車が事故を起こしたり突っ込んできたりする危険が高まる状況ですからね。」
「その危険は、ね…。」

 雪が覆っていないところを探す方が難しい状況下でも、何故か普段どおりにスピードを出す輩がいる。いくらタイヤを冬用にしても、雪が圧縮されて氷になった部分は、予想以上によく滑るし、ブレーキも効きづらい。シャルなら特別仕様のタイヤに周辺の雪の蒸散、高度なリアルタイム制御があるけど、それでもスピードは抑えている。
 物理現象にはどうしても逆らえないし、それはシャルも十分理解している。除雪車と戦車を融合したみたいな走行が可能なシャルですら逆らえないのが物理現象。なのに、シャルからすればごく原始的な制御しかない車でスピードを出せばどうなるかは自明の理。だけどそれが分からない輩が意外といる。
 厄介なのは、その手の輩が事故を起こしても自分は死なずに、同乗者や無関係の他人を死なせることが多いこと。乗用車で1トンくらいある金属の塊が時速数十kmで突っ込んでくるときのエネルギーは、中学程度の物理の知識があれば甚大なものだと分かる筈なのに、分かっていないらしい。
謎町紀行 第1506回
written by Moonstone
 別のディスプレイを見ると、「冬季閉鎖中」として幾つかの道路が挙げられている。冬は積雪や雪崩の危険で閉鎖される区間があるそうだ。今のところ、ヒジリ市を通る国道は問題ないけど、近くの県道が幾つも冬季閉鎖中。ヒジリ市に来るまでに使った高速道路は、積雪で40km規制の上に、冬用タイヤ必須。雪が障害物でしかないことが改めて分かる。
2021/1/14
[2階と水場]
 加湿器フル稼働だと、少し気温が低くても暖かい、静電気が起こり難い(帯電しやすい体質らしいので地味に嬉しい)と良いことが多いですが、水汲みの頻度が高まるのが数少ないデメリット。以前にもお話ししたと思いますが、自宅は古い設計なためか2階に水場はありません。
 今は金さえ出せば、たとえばクローゼットを改装して洗面台を新設する、なんてことも出来るようです。水を大量に汲んだり運んだりするのはこの時期だけなので(夏は冷蔵する)、そこまでしなくても良いかなと思っています。ポンプを設置するのはかえって大がかり。結局地道に1階と2階を往復でしょうか。
 シャルも言っていたけど、食器は別にこのご時世使い捨ての製品がたくさん手に入る。だけど、それは今までの環境だったから言えること。普段の生活だと当たり前のことが当たり前でないことは出て来るだろう。食べ物は今のところ問題ないけど、気候はI県に入って雪がもはや災害レベルの氷の塊だと初めて理解できたくらいだ。
 これから先、物が買えない、売っていないことは起こり得る。食器や食事だって例外じゃない。そんな時、保存していたり現地調達した食材があれば、熱源と基本的な調味料さえあれば、どうにか食べられるものが出来る。いざ食べるとなった時に、食器がないと不自由することになる。
 逆に、適当に作ったり用意した料理でも、食器が揃っていれば格が上がって見える。高級料理店で良い食器を使っているのは、見た目で食欲をそそるためでもあると聞いたことがある。食器は意外と生活水準の向上に繋がるものかもしれない。

「この先、道路が閉鎖になってる場所があるね。」

 朝市の出入口の1つ、駐車場に近いところに近隣の道路情報を見られる場所がある。雪のことを考えてか屋内にあって、5分ごとに更新される大型ディスプレイだ。このヒジリ市は高速道路がなくて、基本的に沿岸部を走る国道しか近隣の町に通じる道路はない。県道らしい山道は幾つもあるけど、多くが黒色表示に両側バツ印。通行止めだ。
謎町紀行 第1505回
written by Moonstone
 そんな時、ある程度食材を買い込んでおいて、調理や洗浄が出来れば、シャル本体で寝泊まりできる。空調とかの車内環境は申し分ないし、使っていないリアシートを倒せば、どうにか布団を敷けるくらいの広さがある。シャル本体が移動や生活の拠点になる時は必ずあるだろう。そんな時に食器があるかないかで違う。
2021/1/13
[屋根裏部屋の使途]
 昨日付でお話しした、開かずの間と化している屋根裏部屋。行き止まりなどがなければ、間取りから推定して20畳くらいあるようです。今でも1室が書庫という名の物置、1室が偶に出し入れする箪笥以外未使用という出鱈目な使い方をしているので、屋根裏部屋は強引に収納場所にするくらいしか使途がありません。
 ゲームなどで屋根裏部屋に住むという設定がありますが、それは「ゲームだから」。実際は高さが限られ(多分私だと屈まないと頭をぶつける)、直射日光で夏は暑く、熱が逃げやすいので冬は寒い環境。整備して空調を強化するにはもはや電気容量が足りません。このまま事実上封印されるのでしょうか。

「2人分の食器を買うって、ちょっと憧れてた。」

 近くの食堂に入ってモーニングセット−と言うけどご飯に味噌汁、漬物に焼き魚と純和風テイストの食事を食べながら、食器の入った紙袋を見やる。木製の器や箸にヒジリ市特産の漆を塗った2人分の漆器。金額は兎も角、僕には縁がないことだと思っていた「2人分同じ食器を買うこと」が、この旅で実現した。

「旅に出るまでは1人分で十分だったし、旅に出てからは食器を使うことはないと思ってた。」
「これから車中泊で使いましょう。キャンプも出来ますよ。」
「キャンプか…。した覚えがあるようなないようなレベルだよ。」
「照明や調理器具はどうにでも出来ますし、水素や水はどちらかがあれば作れますから、これから何処へ行っても大丈夫です。」
「キャンピングカーみたいになっていくね。」

 これから先、何処にでもホテルがあって、食事も近くの店に行けば良いという環境が続くとは限らない。出張で2,3回国外に出たけど−そのためにパスポートを取る羽目になった−、町を出たら土地と道以外何もないとか、飲食店が日曜日に殆ど営業していないとか、日本と違う環境が向こうでは普通だ。
謎町紀行 第1504回
written by Moonstone
 シャルが選んだ食器は、シンプルな塗りのもの。同じ食器が2人分って、同棲か新婚のすることだよな。実際僕が代金を払う時、「新婚さんかい、ええねぇ」と言われた。考えてみれば、お揃いの食器を2人分買う男女は、新婚か同棲カップルの何れかだろう。揃って指輪を左手薬指に填めているし、疑う方が無理があるか。
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