2019年3月25日更新 Updated on March 25th,2019
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2019/3/25
[GoogleMapsの行方]
 昨日付と少し関連することで、開通した新名神新四日市JCT−亀山西JCTがどのあたりを通るか調べようとGoogleMapsを開いたら、表示が今までと違うし、ICなどの位置が不明瞭など、首を傾げる個所が幾つかありました。後にGoogleMapsのベースがゼンリン社でなくなったのが影響していると知りました。
 車を買い替える際にSDA(Smart Display Audio:つまりはスマートフォンをカーナビにするシステム)を検討しましたが、OSのバージョンによっては動作が不安定など時期尚早として見送ったのを思い出します。カーナビの不可思議な案内は今回もありますが、位置情報の収集と分析に依存するGoogleMapsの限界が出て来るかもしれません。

「それにしても、山の中とはいえ良くこんな広い土地を買えたね。」
「調べたところ、元々この農業法人の前身は、旧カスプ社工場跡で牧場を営んでいたそうです。」
「?!」

 シャルがダイレクト通話で説明する。農業法人の前身である牧場経営者は、かつてカマヤ市で体験コーナーや試食試飲コーナーを併設した牧場を経営していた。カマヤ市では結構有名で、ローカルでそこそこ知られた牧場だった。そこにカスプ社が土地買収を持ちかけた。
 カスプ社はM県からの補助金を含めた札束で頬を叩く一方、牧場の悪評を流したり、客として潜入した社員が言いがかりをつけたりと追い出しにかかった。家族は勿論、家畜に悪影響が出て来たことで−家畜は想像以上にデリケート−、牧場経営者は買収を受け入れ、かつてのリゾート地で荒れていたこの高原に移り住み、心機一転農業法人を立ち上げた。

『−カスプ社は自分の懐を殆ど痛めることなく、ただ同然であの土地を手に入れたわけか…。』
『はい。それが没落によって、今度は買いたたかれる羽目になったのは、因果応報というのでしょうか。』

謎町紀行 第879回
written by Moonstone
 農協自体が悪いんじゃなくて、集票マシンと創造性の制約を排除すれば、農機具や土地の問題を避けて通れない農林業の運営形態としての農協は意義がある。農協がまともに機能しないところに登場した農業法人は、農林業運営の1つの在り方になると思う。
2019/3/24
[半年ぶり]
 1日更新を見送ったのは、半年ぶりの88か所巡りと疲労です。元々開通したばかりの新名神新四日市JCT−亀山西JCTを走ることが目的でしたが、それなら本業に忙殺された&冬場で出来なかった88か所巡りの行程に組み込もうと思い立ち、深夜出発→日付変更前に帰宅の弾丸旅行を決行しました。
 到着した先が気温1℃&標高が高くて耳が頻繁に聞こえづらくなったり、約500段の階段を上ったり(整備された階段だったせいか予想よりきつくなかった)、近くに合った天然温泉で寛いだり、大雨に降られたりと色々ありましたが、久しぶりに本業を忘れて没頭した感があります。日付は連載ストックが出来次第修正します。
 メニューを見ると、食材は高原併設の畑や牧場で栽培・肥育されたものを使っているという。スマートフォンでこの辺の地図を表示すると、「オオヤマ高原」と薄い緑で色分けされた広大なエリアの中に、牧場がある。航空写真に切り替えると、確かに広大な草原に牛らしきものが居る。

「随分大がかりだね。」
「地産地消を発展させて、第1次産業を基盤とする経済運営を目指すというのが、このオオヤマ高原を経営する農業法人の大きなコンセプトだそうです。」

 農林業や牧畜といった第一次産業は、工業化から「いかに売るか」を主体とする広告宣伝が強大になった現代では、利益を得て賃金を増やしたり設備投資をする経営が難しい。1つは農協の縛りがある。高価な−トラクターとか高級車以上の価格だったりする−農機具の共同購入・使用が本来のあり方の筈なのに、今は選挙の集票マシンと化している。
 農協の縛りを脱した販売戦略も出て来ているけど、第一次産業を主体にした経営というレベルには至っていない。どうしても高価な農機具とそれを集約する代わりに様々な制約を課す農協がネックになる。農業法人も出て来てはいるけど、法人ゆえに倒産のリスクはある。
謎町紀行 第878回
written by Moonstone
 料理店や居酒屋だと2名以上と注文に制限が付いたメニューはあるけど、カフェでは初めて見る。サラダにスープ、パスタなどなど色々な料理が多めに盛られている。2人以上で取り分けて食べるのが前提のようだ。カップルや家族だとこういうメニューは便利かもしれない。
2019/3/23
[飲み物の交代時期]
 朝晩はまだ冷え込みますが、幾分緩くなってきました。昼間だと熱い茶が「温かくて良い」から「ちょっと熱い」に変わってきました。本業でも自宅でも大抵飲み物は傍らに置いていて、それの温度を変えようと思う時期になると冬から春、もしくは秋から冬に移行したと感じます。
 自宅だと紅茶がホットからアイスに代わります。それに加えて野菜ジュースか飲むヨーグルト。健康的と言えますが、あまり炭酸飲料が得意でない(ジンジャーエールだけは何故か例外的に飲める)&果実系のジュースは甘さが強すぎるので、こういう選択肢になります。春はもう直ぐでしょうか。

「こういうお店なら、食事を楽しみながらゆっくりお話しできると思って。」
「雰囲気は凄く良いね。でも、店員の服装でシャルの選択肢から外れるんじゃ?」
「ヒロキさんがメイド服には大して興味がなくて、ナース服一本だということが分かっているので。」
「う…。」

 シャルは僕の趣味嗜好を完全に把握してる。睡眠と意識不明はシャルにとっては流れ込んでくる情報量が桁違いらしいし、その情報を基にシャルが今の容貌を選んだから、シャルの指摘を否定できない。逆に、まずないだろうけど制服がナース服だったら絶対シャルは避けてただろう。
 水とおしぼりを持ってきた店員に、5分くらいしたら注文を取りに来てもらうよう頼んでメニューを広げる。シャルが探してくれた店だから、シャルのお勧めを聞いた方が良い。シャルは楽しそうにメニューを捲って開く。「オオヤマ高原セット」という見開きのページだ。

「これがお勧めです。2人から注文できるんです。」
「それにしよう。」

謎町紀行 第877回
written by Moonstone
 所謂メイドカフェだと思うけど、僕が抱いていた印象とかなり違う。かなり埋まっている客席も、年配の方が多い。客の会話もあるにはあるが、喧騒とは縁遠い。シャルがこの店を選んだのは、食事の品質は勿論として、店内の雰囲気も考慮してのことか。
2019/3/22
[寝て食べて少し掃除]
 普段の疲れが酷い反動で休日の起床時刻がずれ込むのはお約束。違ったのは、洗顔時にふと掃除しようと思い立って、水回りの掃除と干した後(加湿も兼ねて部屋干し)そのままだった洗濯物の片付けを手掛けたのは異例の話。手掛けたところはすっかり綺麗になりましたが、他との比較はちょっと…。
 前に業者を入れて一斉清掃をした際に、ウェットティッシュを使うと手軽(トイレは流せるタイプだと尚良い)と教えてもらい、購入しておいたウェットティッシュを動員。確かに捨てるか流せば良いですし、よほどしつこい汚れ以外は大抵落とせる便利さは、面倒くさがりの私には最適解のようです。
 2駅分乗って降りる。乗客の半分近くが同じ駅で降りる。向かう先は幾つかに分かれる。降りた駅は飲食店が立ち並ぶ「お食事通り」というエリア。和食洋食中華にカフェにイタリアンフレンチと、パッと思いつく料理がこの界隈で食べられるようだ。その中でシャルが選んだカフェはどうなんだろう?

「いらっしゃいませ。」

 店内に入って迎えた女性店員の服装に、思わず目を疑う。メイド服だ。それも所謂正統派メイド。シャルの性格だとこういう店は選びたくない筈。

「何名様ですか?」
「2人です。」
「かしこまりました。お席へご案内いたします。」

 甲高い声であれこれサービスを迫って来るかと思ったら、至って落ち着いたもの。逆に違和感すら覚えてしまうけど、突っ立っていても仕方ない。店員に奥の2人席に案内してもらう。改めて店を見渡してみる。天井から床まですべて木製。薄く流れているBGMはクラシックか。全体的に落ち着いた雰囲気で高級感すら感じる。
謎町紀行 第876回
written by Moonstone
 今度は座席が割と詰まっているから、後ろの方に乗り込む。この短い時間でもシャルが視線を集めているのが分かる。もっとも、当のシャルはまったく意に介さないのは普段どおり。「見るだけなら幾らでもどうぞ。危害を加えるようならただではすまない」というスタンスは徹底している。
2019/3/21
[久しぶりの休日らしい休日]
 業務報告書が無事納品され(心なしか紙の質が良くなったような)、業務発表もひとまず終えたことで、ようやく肩の荷が下りました。休暇を加えて少しばかり本業から離れてゆっくりする時間を持つことにしました。このところ体調が芳しくないですし、疲労は慢性化していますし、自宅も再び荒れて来ていますし、食生活も乱れていますし。
 まだ雪の恐れが消えないので遠出できる範囲は限られます。桜はまだ早いですし、本業最優先の代償で乱れた生活を一時的にでも修正して、人生の一部としての生活を取り戻そうと思います。大半は気ままに寝て食べて、時々作品制作だと思いますが。
 視界が開けてくる。身体を包む心地良い感触。頭を受け止める弾力。僕の頬を撫でる少しひんやりした滑らかな手。僕を見つめる2つの大きな藍色の瞳。シャルが変わらず僕を寝かせてくれていた。この事実を全身で感じる。どれくらい眠っていたか分からない。そんな時間を僕のために費やしてくれた。それが嬉しい。

「良く寝られました?」
「うん。すっかり眠気は取れたよ。」
「食事にしましょうか。朝あまり食べてなかったから、お腹が空いたでしょ?」
「うん。よく分かるね。」

 僕は身体を起こす。シャルが言うには、降りた駅から2つ先の駅にお勧めのカフェがあるそうだ。シャルの情報収集や分析能力は今更言うまでもないし、なかなか食通の面もある。シャルのお勧めだと安心だ。僕がシートから退くと、シャルはシートを普通に折りたたんでバスケットに仕舞う。バスケットに吸収・同化できるだろうけど、誰が見てるか分からない。
 シャルと手を繋いで駅に向かい、電車を待つ。電車は少し待っているとのんびりやって来る。数分毎に定刻で出発とか、時計と睨めっこするシチュエーションとは完全に隔絶されている。何処かのテーマパークも現実との隔絶を大きなコンセプトにしているそうだけど、同じようなコンセプトなんだろうか。
謎町紀行 第875回
written by Moonstone
 話をしているうちに本格的に眠くなってきた。シャルが僕の頬を撫でるのも合わさって心地良いことこの上ない。暫くこの夢心地に浸ろう…。

…。

2019/3/20
[桜]
 昨日付の続きみたいですが、流石に桜は昨年のようにはいかないようです。昨年が異常だっただけでしょうけど。近隣に桜並木があって、満開前から周辺駐車場が大混雑します。漏れなく車社会なので(その車社会で10年以上車を持ってなかったんですが)、こういうイベント時には駐車場の争いになるのが恒例みたいなものです。
 此処のPhoto Group 1で公開しているように、桜は彼方此方見に行っています。あまり見に行けていないのが夜桜。時間帯が限られる&遠路になるほど帰還に時間がかかる&翌日の体力回復に時間がかかるので、ある程度まとまった時間が必要です。当分無理かな…。
 シャルの声で思考を停止する。視界には口元が隠れたシャルが変わらず見える。口元は見えなくてもほんのり甘い澄んだ声は、僕の耳に届く。

「ヒロキさんが女性と見るや涎を垂らして襲いかかるタイミングを伺う、大脳辺縁系しか存在しない生物なら、私は夜な夜なヒロキさんを縛り上げて逆さ吊りにしますよ。そうならないし、そうしないのは、私との彼氏彼女の関係を一歩一歩進展させたくて、それを模索しているからだと思うんです。ヒロキさんの言う最後の防衛線を少しずつ深いところに進めていくイメージでしょうか。」
「そう…だね。その正しい進め方が分からない。スマートな進め方って言った方が良いのかな…。」
「無理に取り繕っても、何処かで破綻します。進む時は一気に進むものですし、仲を深めるにはどうするか、どういうシチュエーションが良いか、あれこれ考えたりするのも、彼氏彼女の関係ならではだと思いますし、楽しみの1つだと思います。」
「うん…。」
「時間は十分あります。ヒロキさんはもう誰に負い目を感じる必要もありません。ヒロキさんと私だけの甘い駆け引き、楽しみましょうね。」
「そういう台詞は僕が言うべきところなんだろうけどね…。」

謎町紀行 第874回
written by Moonstone

「ヒロキさんは、ナチウラ市に屯していた下等生物と同じだとは思えません。」

2019/3/19
[梅]
 何時の間にか梅が咲いていることに最近気づきました。通勤路に梅はないし、職場の敷地を歩いて通る際に梅があっても目に入ってなかったり、暗くて見えなかったりで、気づくのが遅れました。桜は花見で近隣がごった返しますが、梅はさほど大騒ぎされることなく、知る人だけが咲いているのを見て何時の間にか消えていく感があります。
 昨年は桜が異様な速さで開花したのを覚えています。4月に散り始める桜を見たのは、居住地に住んで以来初めてでした。今年はそこまで極端なことにはならないと思いますが、気候に翻弄されるかのように体調が不安定なこの時期を早々に脱したいものです。
「この辺は涼しいので、風邪をひくといけないと思って、光学迷彩を施した保温シートを被せました。」
「凄い気配りだね。嬉しいよ。こういうこと、今までなかったから。」
「今とこれからは、私が出来ますからね。」
「うん。」

 今までそうじゃなくても、今、そしてこれからは違う。そうなりたいと思って、僕はすべてを捨てて旅に出た。今なんて客観的に見れば羨ましいシチュエーションの1つだろう。だけど、見せびらかせるまではいかなくても−今でも十分見せびらかしていると言えなくもないけど−、今が幸せだという実感が乏しい。漠然としているといった方が良いか。
 ちょっと考えてみれば、寝る時なんてフィクションでもなかなかあり得ないものだ。自分がプレゼントしたシャツ1枚で、同じベッドですぐ隣で寝ている。その上、寝る前にせがまれるか僕が寝ている間に腕枕をしたり、以前みたいに抱いて寝ていたり。昨夜、覆い被さって寝ていたなんて、どうして何もしないんだと言われかねないシチュエーションだ。
 逆に何もしないのは何故か?色々あるように思うけど、多分、何かしたらもう止められないという、ある種最後の防衛線を堅持したいという気持ちだろう。こんな容貌的にも性格的にも性的にも魅力満載の女性と仲を深めたら、旅そっちのけで情欲に溺れるんじゃないかという、かなり現実味のある危機感がある。
謎町紀行 第873回
written by Moonstone

「寒くもないと思いますがどうですか?」
「そういえば…。」

2019/3/18
[道路が増えている]
 土曜は用事があって外出したのですが、天候があまり良くない&人が多いと頭痛になる確率が上昇するようです。夜になって頭痛がようやく収まり、以前お話ししたと思う新名神の新たな開通が昨日だったことを思い出して、車を持ってから閲覧数が飛躍的に増えたJARTICのページを見ると、道路が彼方此方で増えていました。
 3月になって、新名神の新四日市−亀山西だけでなく、中部横断道の新清水−富沢、新東名の海老名南−伊勢原間など、複数の区間が開通したそうです。慢性的な渋滞の区間のバイパスになると良いのですが。
 シートにさっさと上がってシャルが何をするかと思ったら、腰を下ろして自分の太ももを軽く叩く。…膝枕するから寝ろってことか。照れくさいけど、今はシャルの膝枕で寝たいという気持ちがはるかに勝る。靴を脱いでシートに上がり、シャルの膝枕に頭を乗せて横になる。真上を見ると、シャルがこちらを見ている。胸のでっぱりで口元は見えない。

「気分はどうですか?」
「凄く寝心地良い。シートが…何だろう…薄っぺらい感じが全くない。」
「形状はシートを模しましたけど、使い勝手は上質の敷布団と同じにしています。」
「こういうことも出来るんだね。」
「私の機能は戦闘や情報収集だけじゃないですよ。」

 シートを通して芝生と地面の感触や冷たさが伝わると思ったら、ふかふかの敷布団そのものでびっくり。見た目とは全然違う材質にすることも、シャルにとっては呼吸をする感覚で出来ることなんだろう。ホテルのベッドはちょっと固めで寝やすさという面では疑問符が付くことがある。シャルの創造機能は単に形状を再現することじゃないとよく分かる。
謎町紀行 第872回
written by Moonstone

「さ、横になってください。」

2019/3/17
[頭痛の最中]
 激痛ではないものの、やる気や思考を削ぐレベルの嫌らしい痛み方です。また後程…。
 電車の路線は、高原を大きく囲むような形で、なんと複線。山手線とかで言うところの内回りと外回りがある。今僕とシャルが乗っているのは内回りの方。遠くに外回りの電車が動いているのが見える。1回乗車券を買えば気分で乗り降りできる気楽さが、興味もあって乗客を集めているんだろうか。

「此処で降りましょう。」

 2つ目の駅で、シャルに手を引かれて降りる。少し先に凄く枝が広い大樹が1本、鎮座している。不思議なことに人は殆どいない。飲食店とかが近くに全くないのが理由だろうか。シャルは大樹の下で、持っていたバスケットからシートを取り出して広げる。これも創造機能を使ったんだろう。ヒヒイロカネかどうかなんて識別できない。
謎町紀行 第871回
written by Moonstone
 電車はゆっくりとホームを出る。歩くよりは早いけど走るより遅いという、本当にのんびりした電車だ。こののんびりした運行が今はとっても心地良い。通勤していた時は車だったから満員電車の大変さはあまり分からないけど、出張で都心の在来線に乗ると人の多さに愕然としたのを覚えている。
2019/3/16
[疲労が酷い]
 長期出張から帰還してすぐ、回路の試作評価・仕上げ・再構成・定数調整・レポート作成・相談対応etc.が連続して疲れがたまっています。気が張っている昼間でも、週の後半はけだるさを感じました。食欲もかなり低下しているので、危険信号に近い注意信号です。睡眠は取れても疲れが十分取れないのも結構危険です。
 施設と言っても、飲食店と遊園地、季節ごとに花が変わる庭園くらいのもので、他は広大な芝生に大木が無秩序に点在するだけ。良く言えばシンプル、悪く言えば殺風景なこの高原は、忙しない日常から隔絶されている。これがむしろ良いと僕は思う。サービスってものは何も至れり尽くせりが全てじゃない。
 僕は助手席に座ってうとうとしていたから、あっという間に着いた感がある。まだ頭に霞がかかっているけど、眠くて歩くのも面倒ということはない。シャルに手を引かれて歩く。シャルの要望を受けて、試しに路面電車に乗ることにする。駅は駐車場から直ぐのところにあって、きちんと踏切もある。乗車券は券売機で買う。1回買うと1日自由に乗れるフリーパスだ。この手の施設にしては結構思い切ったことをする。値段は100円。徒歩での移動がしんどいと思ったら近くの駅から乗れば良いというのは、心理的な保険になる。
 少しして電車がやってきた。僕とシャルは、前から2列目の席に乗り込む。客はそこそこいるけど、やっぱりシャルは人目を引く。茶色はもはやありふれた色だけど、根元から先まで統一された金髪は、日本だとなかなかお目にかかれない。加えてアイドル顔負けの容貌だ。他の客の視線がシャルに集中しているのが分かる。
謎町紀行 第870回
written by Moonstone
 高原にある大抵の施設は路面電車で回れるし、少し歩けば近くの施設にも行ける。ペンションや別荘、ホテルはバスを使う。かなりきっちり棲み分けがなされている。車が押し寄せると収拾がつかない。あえて車から人を降ろして、施設を回ってもらおうという明確なコンセプトを感じる。
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