2018年11月17日更新 Updated on November 17th,2018
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2018/11/17
[小休止]
 職場のイベントが立て続けで、この1週間もその対応に追われました。今のところ何れも無事終わっていて、年末や年明け以降に向けて動き始めています。業務は相変わらず出鱈目な状況ですが、一時ほどではなくなっています。薬指の皸のような肌荒れが酷くなって、キータイプがちょっときついのが困りものですが。
 車両感覚にも慣れて、ゆったり運転できる2代目の車で、うっかり忘れていたのがUSBケーブル。幸い直ぐ手配できたので、取りつけてもらいます。それが完了すれば遠出の準備は全て揃います。長らくプライベートが本業に塗りつぶされてかなりストレスが溜まっているので、そのうち彼方此方出歩くことでしょう。
 渋滞もあって4時間かかってハネ村に到着。一般道と高速道路の違いは制限速度と信号の有無にあると痛感した。幸いシャルの配慮で座席は快適だから、途中少し腰を伸ばす程度で良かった。疲れるのは致し方ない。シャルのアシストがあるとはいえ、長時間の運転は体力を消耗するものだ。
 ハネ村は文字どおりの山間の村。高い山に囲まれた平地にひっそりと集落が佇んでいる。とりあえず昼食のためシャルが選んだカフェに向かう。エハラインターチェンジから唯一ハネ村に通じる、片側1車線の県道413号線は、人どおりがまったくない。代わりに「合併絶対反対」などの看板が幾つも出迎えてくれる。
 事情は何となく透けて見える。隣接するホーデン社の牙城、トヨトミ市との合併が目論まれていて、住民はそれに強く反対している。一方で、別の場所には「合併で地域の発展を」など推進派と思しき看板もある。どんな命題でも賛成と反対が生じるのは自然だけど、この手のことは必ず何かしらの利権が絡むからややこしいことになる。
 自治体の合併は土地の利用が絡む。財政規模が大きくなったから−実際は大きな財政規模に取り込まれたんだけど、あそこに大型ショッピングモールを建設するとか、あそこに高速道路のインターチェンジを誘致するとか、そういう話が出て来る。その対象になった土地の価格は一気に上昇するから、土地成金が出来やすい。
謎町紀行 第768回
written by Moonstone
 シャルが侵略というくらいだから、かなり不穏な空気が漂っているだろう。住民も警戒していると思った方が良い。ホーデン社の侵略を止めることがヒヒイロカネの改修に直結しないとしても、何しろ神社の御神体。慎重に丁寧に、だけど迅速に調査して対策を講じないといけない…。
2018/11/16
[暖かくすると水が必要]
 暖房の稼働を開始して自宅は快適になりましたが、暖房に付き纏う空気の乾燥が気になってきました。昨年揃えた加湿機の稼働を準備しています。冷房に除湿はあるんですから(狂気の暑さは湿度の影響も大きい)、暖房に加湿もあって良さそうなものですが、未だにそのような機能のエアコンは見たことがありません。
 先んじてコート類をクリーニングに出したので、何時でも使える状況ではあります。難儀なのは朝晩は冷え込むのに昼間は日差しがあると暑いくらいの極端な寒暖差。コートは結構場所を取りますし、車に置いておくのも何だか変な気がします。もう少し我慢でしょうか?

『ハネ村に向かいましょう。中央横断自動車道のエハラインターチェンジから南下する形で入ります。』
『ココヨ市やトヨトミ市を避ける?』
『はい。』

 地図を見たところだと、此処からハネ村に行くには東阪高速道路から中央環状道経由で中央横断自動車道に入るのが最短。だけど、東阪高速道路はココヨ市を横断して、中央環状道はトヨトミ市を縦断する。ホーデン社のテリトリーだから渉外担当室所属の車が徘徊している確率は高い。そこで発見されると面倒だ。
 中央横断自動車道は、一般道からココヨ市の北にあるコミヤ市の、コミヤインターチェンジから入ることが出来る。コミヤ市への経路はかなり長いけど、ホーデン社の車に追跡されることは避けた方が良い。ホーデン社が侵略を狙うというハネ村やオウカ神社に僕とシャルが接近していると知られたら、ホーデン社が一気に攻勢に出る危険もある。

『念のため、周辺に戦闘機編隊を飛ばして、早期警戒機でジャミングを仕掛けます。』
『今回はそれくらい慎重な方が良いね。滞在の必要はある?』
『北側で隣接するエハラ市のホテルを確保しました。』
『ありがとう。食事を済ませたら早速出発しよう。』
『はい。』

謎町紀行 第767回
written by Moonstone
 唐突にホーデン社が出て来た。しかも侵略という物騒な単語を伴って。シャルの分析結果でホーデン社が牛耳るココヨ市が候補地として浮上したのは、何らかの形でヒヒイロカネに関係があるためか。そしてそれは必ずしもヒヒイロカネが保管されているんじゃなくて、ヒヒイロカネを奪おうとする側である場合もあるということ。
2018/11/15
[コミックマーケットの行方]
 東京オリンピックの影響で、コミックマーケットの会場として東京ビッグサイトが当面使用不能になり、有明と幕張に分散開催するそうです。同人サークルの申し込みや出展数の推移走りませんが、企業出展は購入側にも企業側にもコミックマーケット運営側にもメリットが大きく、企業参加を削るわけにはいかなかったと思います。
 東京オリンピック終了後に東京ビッグサイトに戻れるかどうかはやはり不明ですが、分散開催を契機に諸問題、特に徹夜組への見解を出し、対処に乗り出すべきでしょう。特に幕張周辺で徹夜組が陣取れば重大問題に発展しかねません。入場料の導入も必要な時期でしょう。
『縁結びはご利益の1つではありますが、あまり前面に出していません。オウカ神社自体が知る人ぞ知るという神社のようです。』
『由緒ではかなり明確な関連があるのに、不思議だね。』

 神社の由緒の関連を調べる人は少数派だろう。神社に密接な関連がある神話は天皇家に繋がるから、どうしてもイデオロギーが付き纏って、学術に絞り切れない面が強い。古墳の調査が出来ないのも宮内庁が阻んでいるせいもあるし、天皇家の墓を暴くことに右側のイデオロギーが強い拒否感や攻撃性を示すのが理由だ。
 かなり分かりやすい形でオウカ神社の存在が判明して、そこにヒヒイロカネがあることも分かった。早速回収に行きたいところだけど、シャルが調査結果を出しても即回収を言いださないあたり、回収にハードルがあると見て良い。御神体だとそう簡単に見ることも出来ないのはオクラシブ町でも経験済みだし。

『聡いですね。オウカ神社は現在、境内への立ち入りが禁止されています。』
『境内に入れないって、参拝も出来ないってことだよね。』
『はい。拝殿と本殿の改修が理由とされていますが、スキャンしたところ、確かに拝殿と本殿が建築会社の防塵壁で覆われていますが、改修工事は行われていません。明らかにカモフラージュです。』
『一体何があったの?』
『簡潔に言えば、ホーデン社の侵略阻止のためです。』

謎町紀行 第766回
written by Moonstone

『元々別の神々の謀略で離ればなれになっていた2人の神が、僅かな手掛かりを頼りに探し歩いて、無事レンカ神社のある場所で再会できたことから、レンカ神社は縁結びで知られているんです。素敵な由緒ですね。』
『そ、そうだね。じゃあオウカ神社も縁結びで有名?』

2018/11/14
[自宅の安全保障]
 此処でお話したか覚えていませんが、2年前くらいに自宅近くで火災がありました。死傷者や延焼はなかったものの、火の回りが速くて逃げるのがやっとだったそうです。今年は強力な台風の上陸もありました。自宅は火災の原因の1つであるコンロからIHにしましたが、他から来る災害は防ぎようがありません。
 このページのファイルは複数のバックアップとサーバ上に保管中。財産関係は間もなく対策を開始。保険関係は既に加入済み(購入時に半自動的に加入)。後は外出時に必ず携行若しくは携行可能なもの。水や食料は一定量備蓄を継続中。いざ災害などで頼れるのは自分だけという意識を持っておく時代です。
 方角をきちんと定めるのはかなり難しい。今はGPSやコンパスがあるけど、1000年以上前はそんなものはなくて、太陽や月の動きで知るしかなかった。天体の動きが実は方角を知るには非常に便利で、航海や地理、土木、占いと密接な関係がある。暦は長期の天体観測が出来てこそ形成できる知的財産と言える。
 昔に正確な測量や建造が出来る筈がないと考えるのは愚の骨頂だ。実際、この例に限らず正確な測量技術があったと考えられる建造物はたくさんあるし、夜空が今よりはっきり見えたであろう昔だからこそ、天体の動きはより明瞭に見えただろうし、それを元に方角や測量をすることは十分可能だったと考えるべきだ。大体、消滅が危ぶまれている宮大工とかはずっと昔からあるし、昔の建物が消滅した理由は殆どが火事だ。原因が戦争か放火か失火くらいの違いでしかない。それくらい昔の建物は堅牢だった。

『このオウカ神社とM県にあったレンカ神社は、何か関係がある?』
『はい。由緒によると、レンカ神社に祭られた夫婦の神が、次に訪れた場所がオウカ神社です。』

 シャルの説明によると、夫婦の神はレンカ神社で出逢い結ばれ、記念に蓮の花を植えた。そして安住の地を探して旅に出た。最終的に行きついた場所がオウカ神社。常世の春のように末永く続くことを願って桜を植えた。オウカ神社は桜の名所でもあるが、車でないと行けない場所にあるため、隠れた名所という位置づけだという。
謎町紀行 第765回
written by Moonstone
『別宮の配置が、レンカ神社とは違うね。レンカ神社は円の中心から見て北東の方向だったけど、こっちは南西。』
『そのとおりです。丁度別宮が向き合う配置で、この直線誤差は0.03%。精密な測量の基に建造されたことを裏付けるものです。』

2018/11/13
[マニュアル作り]
 技術の伝承が叫ばれて久しいですが、「修行」期間中無償で酷使することを当然視したり、後継候補となる若手をそもそも雇用しないで「即戦力」に依存するなど、継承する側に大きな問題があると感じています。それらの問題が「見て覚えろ」に代表される一子相伝や徒弟制度といった、継承する側の受け身な体勢です。
 覚えるべきことや習得すべきことは以前よりどんどん増える中、1から「見て覚えろ」は余りに非効率的。継承する側が自戒して積極的に継承する取り組みをすべき時期に来ていると思います。その1つがマニュアル作り。作業をすることが目的ではなく、作業によって新しいものを作ることが大切。そのためには作業に属するものはどんどんマニュアル化すべきです。
 翌日。朝食時にシャルが調査結果を報告する。ヒヒイロカネはまったく音沙汰がないけど、こっちは随分展開が速い。

『そして、その神社からヒヒイロカネのスペクトルが検出されました。』

 と思ったら、こちらも急展開。やっぱりレンカ神社はヒヒイロカネを隠す壮大な暗号だったようだ。

『一気に道が開けた感があるね。その神社は何処にあるの?』
『此処です。』

 シャルはテーブルに置いたスマートフォンに地図を表示する。オウカ神社。名前も似てる。場所は…ハネ村。初めて見る自治体名だ。地図の範囲を拡大すると、位置関係がようやく分かる。トヨトミ市の北東、タカオ市があるN県と県境で接する村だ。面積はそこそこ大きいけど、大半は山岳地帯。オウカ神社は2つある集落の1つ、よりN県との県境に近いところにある。

『オウカ神社の建物の配置は、このようになっています。』

謎町紀行 第764回
written by Moonstone

『レンカ神社に酷似した配置の神社を発見しました。』

2018/11/12
[ついに暖房稼働開始]
 日中は日差しがあると暑いくらいですが、屋内だと冷え込みを感じます。夜になると明らかに寒く、風邪の前兆である頭痛が頻発してきました。頭痛は思考を遮られますし、風邪をひくと長引くタイプ。背に腹は代えられないので暖房を解禁。気分的にも随分楽になりました。
 暖房を使う時期は、実は車(EV)の充電に注意する時期でもあります。冬場は電気の使用量が多く、うっかり暖房を付けたままにしていると、車の充電が加わった時に電気容量をオーバーして自宅が停電ということが起こります。特に紅茶を沸かすためにケトルを使用すると確率が高まります。ちょっと憂鬱です。
 今、デートって言った。確かに言った。シャルが彼方此方出向いているのは、調査はしつつもデートが目的だったのは間違いない。僕はこの旅に出る時、毎日朝から晩までヒヒイロカネを探して彼方此方巡るものだと思ってた。だけど実際のところ、温泉街や海水浴、花火大会やプールと、シャルと遊びに出かける時間の方が多い。
 シャルが情報を分析して絞り込んだのは候補地であって、確定じゃない。この世界にヒヒイロカネを持ち込んだ手配犯は確か5人。それに対して候補地は世界中に点在していて、日本だけでも10を優に超える。マスターことあの老人がこの世界で集めた情報はどうしても限界があるだろう。ヒヒイロカネは思いがけない形で潜んでいるかもしれないってことは、この件で分かった。
 だからシャルは、調査名目で僕を彼方此方連れ回してるんだろうか。そうでもあるけどそればかりじゃないように思う。ただひたすらヒヒイロカネを虱潰しに探しまわるより、こういう時間がある方が精神的には良いのは間違いない。周囲の視線が刺さるのはシャルと一緒に居る約得の証だろう。
 今回の件で気になるのは、神社の境内全体を暗号めいたものにしていた事実と、それを可能にした測量技術の存在だ。もしかすると、神社の幾つかはヒヒイロカネの所在に纏わるものかもしれない。シャルが創られた世界の文明水準は今でもこちらの世界を凌駕するものだ。古代に持ち込んだら神の扱いだっただろう。

だから…なのか?

謎町紀行 第763回
written by Moonstone
「建物を利用して、一目見ただけじゃ分からないようにするのも兼ねてるなら、たとえば…、何処かに似たような配置の神社があるとか?」
「私もその可能性を考慮して、現在調査中です。ココヨ市や近隣自治体も対象としていますから、調査結果が判明するには数日かかる見通しです。」
「これはシャルの発表を待つしかないね。まさかこんなところにヒヒイロカネの手がかりの可能性が潜んでるとは思わなかったよ。此処も候補地?」
「いえ、M県でのデートスポットを捜索した結果です。これもご利益と考えて良いですね。」

2018/11/11
[車内空間有効活用術]
 車の代替わりで最も変化したのは車内空間です。車体が体感2倍になったので、車内空間は広々。旧車だとスーツケースを入れるのは後部座席でないと不可能でしたが、ラゲッジスペースに置いても余裕。コミケ旅行で難儀していた大量の荷物運搬も、ラゲッジスペースだけで十分対応可能です。
 旧車だと後部座席はスーツケースの運搬などで使う機会がありましたが、今は専ら乗客専用。普段の生活だと助手席に乗せておけば事足りる程度の荷物だけで、買い物でも今はラゲッジスペースの一部を使うだけで済んでしまいます。車内空間を有効活用する新しい何かを考えています。
 この世界で財宝を発掘するのは、言うほど簡単じゃない。日本だと「土地は全て誰かのもの」「個人の土地でない土地は国の土地」と言われるくらい、土地の管理が頑強だ。その影響か、財宝を発掘したらその土地の所有者のものになると聞いたことがある。当然発掘には所有者の許可が必要だから、発掘に着手すること自体容易じゃない。
 ただ単に埋めただけだと、後の自分や仲間、或いは子孫に伝わらない恐れがある。だけどそのまま隠し場所を記録すると、今度は第三者に漏洩する危険がある。それ故に、他人が見ても容易に分からないように記録や伝達する方法として、暗号が用いられた。暗号は不可解な言葉の羅列以外に、絵画や彫刻、時には建物の配置だったりする。
 寺社仏閣は暗号とするには好都合だ。神聖な場所だから発掘は自然と憚られる。神聖であることを逆手にとって、部外者を排除することも容易だ。新たな建物の造営は基本的に無理だけど、神社は遷宮という名目で一定期間で壊して建てなおすことが普通に行われる。これは裏を返せば、隠蔽などのカモフラージュにもなり得る。

「このレンカ神社は、ヒヒイロカネの所在を示す暗号かもしれないってこと?」
「その可能性は十分考えられます。生憎レンカ神社にはヒヒイロカネの反応は一切検出されませんでしたが、暗号だと考えれば説明できます。」

謎町紀行 第762回
written by Moonstone
 手配犯が持ち込んだものとは別でも、ヒヒイロカネには違いない。手配犯はこちらの世界ではかなりの長寿命みたいだし、SMSAの追跡から逃れるために世界を転々としているだろう。その最中に何らかの形で、この世界に密かに残されたヒヒイロカネの存在を知って、発掘しようと目論んでいるかもしれない。
2018/11/10
[iPod発見]
 昨日付などでお話した行方不明のiPodが無事見つかりました。最後の可能性として愛用の手提げ鞄を捜索したところ、普段使わないポケット状の部分にすっぽり収まっていました。無事日々の生活や遠出の際の音楽プレイヤーとして復帰することが出来て、安堵しています。
 スマートフォンに音楽ファイルを転送できることは確認済みで、移行自体は十分可能です。ところがスマートフォンは出先での現在地や行程の確認(Wi-Fiは圏外続出でほぼ不可能)に出先での連絡手段も兼ねるため、音楽に専念できるiPodは生活でも車でも使い続けることになります。「目指せ10年使用」が当面の目標です。
 別宮が青の点でプロットされる。この位置はこれまでの法則性からは外れているけど、補助的に描かれた線と摂社が描く円を基準に見ると、0度−180度を結ぶ直線から…60度上方の位置にある。

「そのとおりです。位置関係は非常に明確で、意図的に配置された可能性が濃厚です。」
「偶然にしては出来過ぎだよね。レンカ神社の創建は1500年以上前って由緒にあったし、そんな時代に測量なんて…!」
「ヒヒイロカネがこちらの世界に存在した時代、十分な精度の測量技術はありました。」
「ヒヒイロカネは全部、シャルが創られた世界に運ばれたんじゃないの?」
「公式にはそうなっていますが、一部が密かにこちらの世界に残され、隠された確率は否定できません。」
「えっと、ちょっと状況を整理したいんだけど、手配犯って呼ばれる犯罪集団が、シャルが創られた世界からヒヒイロカネを持ち出して、こちらの世界に逃げ込んだんだよね?」
「はい。」
「そのヒヒイロカネと、こちらの世界に残されたかもしれないヒヒイロカネは、同一のもの?」
「いえ、異なります。ただ、手配犯がこちらの世界に隠されたヒヒイロカネの存在を何らかの形で知った確率はあります。」

謎町紀行 第761回
written by Moonstone

「測量でもしたみたいに、綺麗に配置されてるね。」
「はい。此処に別宮をプロットします。」
「別宮って、茶屋の後に参拝したこじんまりした社殿?」
「はい。別宮の位置関係はこうなります。」

2018/11/9
[スマートフォンへの統合計画]
 昨日付でお話したiPod行方不明は、遠出において重大問題です。長旅は高速・一般道問わず割と退屈で、ラジオも意外とCMが多く(特に通販)、地域を離れると周波数の選局が必要で、iPodに集約した音楽が何かと使い勝手が良いものです。ところがiPodは行方不明のまま。最悪このまま次の遠出を迎えることにになります。
 スマートフォンがandroidのため、音楽ファイルの移行は特段の準備も不要です(Apple系はこの辺が兎に角面倒なのがよろしくない)。以前導入を試みたSDA(Smartphone Display Audio)はスマートフォンのバッテリーやGoogleMapsのナビ精度の面で見送りましたが、モバイルバッテリーの併用で音楽プレイヤーも統合する段階に来たかもしれません。

「この境内は、特別な意図を感じます。」

 何番目かの摂社の参拝を終えて戻る途中、シャルが言う。

「参道から分岐しているのは分かるけど、…ヒヒイロカネの反応があったとか?」
「いえ、それは残念ながら今まで未検出ですが、境内にある社などの位置関係が意図的なものになっているようです。」
「結界か何か?」
「断定は出来ませんが、それに相当するものと見て良さそうです。」

 俄かに緊張感が高まる。僕とシャルは参道から駐車場に戻り、シャル本体に乗り込む。システムが起動してHUDに地図が表示される。これはレンカ神社の境内?

「そうです。境内の案内図は大鳥居前などにもありますが、何れもイラスト的なもので、性質上か位置関係などは正確ではありません。これに拝殿と本殿、そして摂社の位置をプロットします。」

 HUDの地図に赤い点が幾つも表示される。大きめの点が拝殿と本殿で、小さい点が摂社か。摂社が大きな円を描いている。しかも、円が8等分かなり正確に分割できる位置に摂社があるのが分かる。その円の0度−180度を繋ぐ線から45度上側、45度−135度を結ぶ直線状に本殿と拝殿、正確には本殿が位置している。
謎町紀行 第760回
written by Moonstone
 見つけた摂社も全部参拝していくにつれて、次第に全身の火照りが収まって行く。シャルは摂社もきちんと参拝している。参拝の仕方とかは情報の収集と分析で直ぐ出来るだろうけど、誰も見ていない摂社でも背筋を伸ばして参拝するシャルは、綺麗という表現がしっくり来る。
2018/11/8
[iPod行方不明]
 初めて買ったタッチパネル式の携帯端末であり、最古参でもあるiPodが行方不明になっています。前の土日では確かに車内で音楽を鳴らしていたのに、以降所在が分かりません。音楽が詰まっている便利グッズですし愛着もあるので、困っています。何処へ行ったのか…。

「栗餡が抹茶と相性ピッタリですね。」
「そ、そうだね。」
「次はヒロキさんですよ。」

 …この縁結び商法、1回だけ食べさせ合って終わりじゃないんだった。交互に全部食べ終えるまで繰り返すんだった。顔の火照りが自分でも分かるくらい凄い。恐らく他から見れば真っ赤になってるだろう。のぼせそうな僕の前で、シャルは嬉々とした様子で羊羹を切っている。別方向の拷問だ…。
 まだ顔の、否、全身の火照りが消えない中、神社の境内を歩く。竹林もある境内は彼方此方に分岐点があって、細い道を進むと摂社がある。神社は分かりやすい拝殿とその奥にある本殿がある「メイン」以外にこういう摂社が多いんだけど、このレンカ神社は数が多い。参拝者は居ないけど、きちんと掃除や拝礼は行われているらしい。榊も真新しい。
謎町紀行 第759回
written by Moonstone
 僕はシャルに同じことをする。正直自分がされる時より照れくさい。それに、こういうことが他の客もいるところで出来るくらいの仲なら、十分御利益があったと言えるんじゃないだろうか?やっぱり神社の縁結び商法だけど、ニコニコしながら羊羹を味わっているシャルを前にそんなことは口が裂けても言えない。
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