カードキャプターさくら Side Story

CCさくら ショートコント

その15 −女心というものは・・・−

written by Moonstone

〜コミックス第12巻p169以降を先にお読みください〜

 走り出した空港行きのバス。小狼は窓から身を乗り出す。さくらはそれを追って走り出す。
さくらから手作りの縫いぐるみの熊を受け取った小狼は、さくらに向かって言う。

「かならず帰ってくるから!」
「いつ?」
「香港でやらなきゃならないことが終わったら!」

 バスはどんどん加速していく。さくらは懸命に追いかける。

「いつになるの!?」
「時間がかかると思う。まっててくれるか?」
「・・・うん!」

 目に涙を溜めたさくらは力強く答える。
バスは走り去っていく。さくらは足を止めてそのバスを見送る。

『まってるよ。ずっと。だって、小狼君はわたしのいちばん好きな人だもん。』

 だんだん小さくなっていくバスに向かって手を振るさくら。その思いはきっと小狼に届いたことだろう。
距離が離れても想いは変わらない。さくらはそう思いながら手を振り続ける・・・。

 時は流れ・・・。
木之本家の玄関では、慌しい朝の仕度の音がしていた。

「いってきまーす!」

 靴を履く、とんとん、という音が軽く響く中、焦りの篭った声がする。

「ちこく、ちこく。」

 中学生になったさくらは、鞄を持って靴を履く。
朝に弱いというさくらの弱点は未だ直っていないらしい。

「また、お兄ちゃんに中学生になっても寝ぼうしてるって言われちゃうー!」

 さくらは玄関を出て駆け出していく。
その途中、さくらの足が止まる。顔には驚きの色が見える。
さくらの目の前には、見覚えのある縫いぐるみの熊。それは確かにさくらが作ったもの。それを手にする者と言えば・・・。

「・・・小狼君・・・?」

 さくらの前に立っていたのは、間違いなく小狼その人だ。
背も随分伸び、もはや坊やなどではなく一人の少年と呼ぶに相応しい。

「香港での手続きがやっと終わった。これからずっとこの友枝町にいられる。」

 そう言った小狼に、さくらはやたら明るい笑顔を浮かべて言う。

ごめんねぇ、小狼君。わたし、付き合ってる人がいるの。
今まで黙っててごめんねぇ。
小狼君が傷つくと思って言わなかったの
。」

 小狼の目が点になり、もの凄く寒い風が吹き抜けていく。それは決して春一番などではない(笑)。

「て、手紙とか電話じゃあんなに・・・。」
「付き合い始めたの、つい最近なの。だから言う機会がなくって。ごめんねぇ。そういうわけだから。」

 さくらは妙に明るい笑顔で手を振って走り去っていく。
残された小狼はその場でさめざめと泣いていた(哀)。
ようやく友枝町に帰ってきた小狼に、明日を生きる目標はあるのだろうか?

遠距離恋愛は続かないものですって。そういうもんだよ、小狼君。


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