カードキャプターさくら Side Story

CCさくら ショートコント

その12 −見詰める瞳に待つ先は−

written by Moonstone

〜コミックス第2巻p76以降を先にお読みください〜

 今日も4年1組のホームルームが始まった。教壇の前に立った担任の寺田が言う。

「きょうは転校生を紹介するぞ。」

 寺田の言葉で生徒の中から「わー」とか「どんな子かなー」とかいった声が上がる。
さくらの隣の席である知世が、さくらに話し掛ける。

「この時期に転校生はめずらしいですわね。」
「どんな子だろうね。」

 さくらもそれなりに興味を抱いた様子だ。

「さ、入って。」

 寺田の言葉を受けて、転校生が教室に入って来る。
転校生は客観的に見てもなかなかの美形で、一見しただけでは女の子と間違えてしまいそうだ。
教室は歓声でいっぱいになる。

「かわいー。」
「女のコじゃなーい。」
「きゃー。」
「なかよくしよーねー。」

 その転校生はある方向をじっと見詰めている。対するさくらはいきなり無表情になる
寺田がホワイトボードに転校生の名前を書いて言う。

「李小狼君。香港からきたんだ。」

 小狼の視線がさくらの方を向いているのに気付いた知世が、さくらに小声で話し掛ける。

「さくらちゃん・・・見られてません?」
「そうね。」

 対するさくらは無表情で前を向いたまま答える。

「みんな、仲良くな。」
「「「「「はぁーい。」」」」」
「じゃ席は・・・木之本の後ろがいいな。席も空いてるし。」

 寺田がさくらの方を指差す。さくらは無表情のままだ。
小狼はすたすたと歩いていく。その視線は明らかにさくらに向けられている。さくらは無表情のままだ。
知世がさくらの後ろの席を左手で指し示して小狼に言う。

「席はこちらですわ。コートとぼうしは、うしろのロッカーにどうぞ。」

 小狼はコートと帽子を机に置いて席に座り、さくらをじっと見詰める。さくらは相変わらず無表情のままだ。
ホームルームが終わり、国語の授業になっても小狼の視線はさくらにこていされている。さくらは無表情のまま授業を受ける。
やがてチャイムが鳴り、授業が終わる。そしてその直後、

小狼の肩にさくらの手がポンと乗る。

「ちょっと。」

 声をかけたのは勿論さくらだ。その顔は相変わらず無表情のままである。

そして、学校の裏庭で・・・

ばきっ、どかっ、ごすっ。
・・・どさっ。

 ズタボロになった小狼が仰向けに倒れる。さくらは無表情のまま両拳を下ろす。

「私にガンつけるなんて、良い度胸してるじゃない。」

 さくらは無表情のまま持っていたクロウカードを1枚、魔法陣の方を向けて突き出す。

「このカードキャプターさくらに下手な真似するとこうなるのよ。覚えておきなさい。」
「流石はカードキャプターさくら。素晴らしい制裁ぶりですわ。」

 小狼がさくらにボコボコにされる一部始終を、知世は物陰からしっかりビデオ撮影していた。
カードキャプターさくら。それはクロウカードを集める選ばれた人物であると同時に、友枝小学校のスケ番(死語)でもある。
勿論、この日を境に小狼がさくらと目を合わさなくなったのは言うまでもない。

見詰めるのとガンをつけるのって、相手の受け止め方次第ですね(汗)。


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